饗宴 の商品レビュー
全く哲学は不勉強なのですがいきなりのトライ。愛とは、対象への向かい方によって美しくも醜くもなる、と。なるほど。 人物同士のやりとりや駆け引きもあり、物語としてもおもしろく読めました。今も昔も、男のひとは議論が好きだなあ。 なぜディオティーマのような架空の人物が出てくるのだろうと思...
全く哲学は不勉強なのですがいきなりのトライ。愛とは、対象への向かい方によって美しくも醜くもなる、と。なるほど。 人物同士のやりとりや駆け引きもあり、物語としてもおもしろく読めました。今も昔も、男のひとは議論が好きだなあ。 なぜディオティーマのような架空の人物が出てくるのだろうと思ったのですが、賢いひとは常に自分の意見を別の立場から批判したり問答したりするそうなので、ソークラテースも頭の中でもう一人の自分と対話をしながら論を構築しているのかもしれない、と思いました。解釈の難しい部分もたくさんあったので、別訳でも読んでみたい。
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(2013.08.09読了)(2004.10.30購入) 以前一度、岩波文庫版の「饗宴」を読んだのですが、よく分かりませんでした。 2013年7月のEテレ「100分de名著」で「饗宴」が取り上げられ、そのテキストを読んだついでにもう一度トライすることにして、今回は、新潮文庫版を選...
(2013.08.09読了)(2004.10.30購入) 以前一度、岩波文庫版の「饗宴」を読んだのですが、よく分かりませんでした。 2013年7月のEテレ「100分de名著」で「饗宴」が取り上げられ、そのテキストを読んだついでにもう一度トライすることにして、今回は、新潮文庫版を選びました。 新潮文庫版の方が、岩波文庫版よりわかりやすかったように思います。 食事をとりながら、集まった人たちが、順にエロース(愛の神)を讃美するということです。 最後にソークラテースが述べるのですが、ソークラテースが自分の考えを述べているわけではなく、ディオティーマという女性から聞いた話を述べています。 その話は、エロースの讃美というよりは、人生の目的は、という話になってしまっているようです。「愛こそはすべて」なのかもしれません。 【見出し】 アポロドーロス、アガトーンの家で行われた饗宴に関し、聞きおよんだ次第を語る。 以下の全編は、アリストデーモスより聞いた話を、アポロドーロスが伝えたもの。ま ず、アリストデーモスが、偶然ソークラテースに出逢い、饗宴におもむいた次第を。 エリュクシマコスが、愛の神の讃美を、饗宴の主題として提案した次第を。 パイドロスの話 パウサニアースの話 エリュクシマコスの話 アリストパネースの話 アガトーンの話 ソークラテース意見を述ぶ ソークラテース、アガトーンと語る ソークラテースの話 酩酊のアルキビアデース登場 アルキビアデース、ソークラテースを讃美す 注解 解説 森進一 ●本来の姿(54頁) 昔の僕たちが、完全なる全体をなしていたからなのだ。そして、その完全なる全体への欲求、その追求こそ、愛という名がさずけられているのです。 ●身に欠いているもの(72頁) 欲求するものはいつだって必ず、それが身に欠いているものを欲求するのではないかね? いや、言いかえれば、身に欠いていない場合には、欲求もしないのではないのかね? ●愛の神(エロース)(82頁) 愛の神は、策知の神ポロス、貧窮の女神ペニアーの間に生まれた息子であります ●幸福(86頁) 「善きものを自分のものにした人は、いったい何を手に入れることになるのか」 「その人は、幸福になりましょう」 ●愛(89頁) 愛とは、善きものが、永久にわが身のものになることを、目的としているのです ●名誉(95頁) 名誉にかられた人びとときては、名誉を得るためなら、わが子のためにするにもまさって、ありとあらゆる危険を冒すこともいとわないし、財貨の浪費も、また、いかなる労苦も、あるいはそのために命を失うことも、いとわぬ、というありさまです。 ●魂に宿る美(99頁) 魂に宿る美は、肉体に宿る美よりも尊いものと考えねばなりません ☆関連図書(既読) 「ソクラテスの弁明・クリトン」プラトン著・久保勉訳、岩波文庫、1927.07.03 「饗宴」プラトン著・久保勉訳、岩波文庫、1952.10.05 「ソクラテス」田中美知太郎著、岩波新書、1957.01.17 「プラトン『饗宴』」納富信留著、NHK出版、2013.07.01 (2013年8月10日・記) 内容紹介 amazon なぜ、男は女を求め、女は男を求めるのか? 愛とは、いったい何なのか? 悲劇詩人アガトーンの第一位入賞を祝う酒席で、五人の仲間たちが愛の神エロースを讃美する即席演説を試みた。男女の肉体的な愛に始まり、最後は真打ち格のソークラテースによる美のイデアとしての愛に終る本書は、およそ考えうる限りの愛の姿を論じてプラトニック・ラヴの出典ともなった永遠の名著である。
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万物の初め、カオス生まれる。次に生まれるのは愛の神。 調和とは響和であり、響和とは一種の同和である。 対立の状態にあって、同和しようとしないものを調和に導くことはできない。
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プラトンの作品の中でも特に文学的な作品と言われているだけある。 話の持っていき方やアルキビアデスの登場などは戯曲的な臨場感に満ちており、ぐいぐいと作品の世界に引き込まれた。 『饗宴』は、悲劇詩人アガトーンの入賞を祝う酒席で、 五人の仲間たちが愛の神エロースを讃美する即席演説を試...
プラトンの作品の中でも特に文学的な作品と言われているだけある。 話の持っていき方やアルキビアデスの登場などは戯曲的な臨場感に満ちており、ぐいぐいと作品の世界に引き込まれた。 『饗宴』は、悲劇詩人アガトーンの入賞を祝う酒席で、 五人の仲間たちが愛の神エロースを讃美する即席演説を試みた、 というのをソクラテスの付添いでその場にいたアリストデモスが話す報告形式の作品。 演説の順番は、 パイドロス→パウサニアース→エリュクシマコス→ アリストパネス→アガトーン→ソクラテス。 パイドロスは権威主義的に、 パウサニアースは相対主義的に、 エリュクシマコスは自然哲学的にエロースについて説く。 アリストパネースの話は純粋に物語のようで面白かった! かなり要約すると、昔、人間は男・女・両性の3種類に分かれていた。 それらは二つの頭に4つずつの手足を持っていたが、神に謀反を働いたために半分にされてしまい今の男と女になった。 ゆえに現在の私たちは昔の片割れを求める気持ちから、男もしくは女を求めるのだ云々。 五人目の最後アガトーンは飾り立てた美辞麗句でエロースを讃美するが、直後にソクラテスの短い問答相手をさせられ否定される。 この否定っぷりが痛快! ソクラテス自身は、ディオティーマという女性を引き出して、かつて彼女がソクラテスに教えたエロースについて話す。 そしてソクラテスが演説を終えた途端にアルキビアデスが登場するが、ここからが更に愉快! エリュクシマコスが彼にも「エロース」を讃美する演説を進めるが、ソクラテスの前で彼以外を讃美なんてできない!と、「ソクラテス」を讃美し始める。 アルキビアデスの話から、ソクラテスが日常生活でどのように愛を実践していたかが垣間見える。 訳者である森進一の解説も丁寧で興味深かった。
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愛とはいったい何なのか?この永遠のテーマについて語られています。愛について悩んでいる人、説得力のある発言と言うのはいかなるものなのか勉強したい人、全ての人に勧めたい名著。
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古代ギリシャ式しゃっくりの 止め方は参考になりました。 いや、愛について、ソクラテスへの尊敬の念が熱く語られている名著なんだけどさ(^_^;)
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