よくわかる民事裁判 第2版補訂 の商品レビュー
法律の中でも、とりわけ裁判の手続に関することが苦手である。 民法や刑法といった実体法は自分の生活と接点があるから、まだ想像が及ぶ。 でも、経験したことのない裁判については、漠然としか感じられず、それはまるで食べたことのない食材を使った料理について説明されているような具合なのである...
法律の中でも、とりわけ裁判の手続に関することが苦手である。 民法や刑法といった実体法は自分の生活と接点があるから、まだ想像が及ぶ。 でも、経験したことのない裁判については、漠然としか感じられず、それはまるで食べたことのない食材を使った料理について説明されているような具合なのである。 何を読んでも「ふーーん……」という感想しか出てこない。 そんな苦手意識を払拭すべく手に取った一冊がこちら。 本書は、民事手続法、倒産法等を専門とする学者である著者が、裁判や周辺手続について、その進みかたの流れに沿って解説した本である。 平凡吉(たいらぼんきち)という酒好きのサラリーマンがひょんなきっかけで裁判をすることになって……というストーリーを軸に、主要な場面ごとに手続の説明と共に社会の中での司法のあり方や議論などがちりばめられている。 不思議なのは、いつもは少々抵抗を覚えている、抗告や保全などの裁判手続独特の言葉が、著者の文章の中だと、違和感なく頭に入ってくるところ。 細かい部分にひっかからないので、通読することができ、逆に裁判の全体像や社会の中での位置づけを頭の中に描くことができた。 個別の論点については、また別の教科書や概説書、入門書などを読めばいいのだろう。 そして、読後は普段接している実体法についての文章がずっと楽に読めるようになったことにも驚く。 法律の世界って、どんなことも訴訟や手続と一体で、切り離せないものなんだな。 物事を「わかりやすく伝える」ためには、デザインやイラストや写真など、たくさんの編集上の方法がある。 でも、この本の「わかりやすい」は、的確に問題をとらえて、そこからぶれずに緻密に内容が構成されているところだと思う。 文章の力を感じると共に、何か複雑な物事を体系立てて理解しようとするとき、本ってとても完成されていて洗練された形態なんだと思えた一冊でした。
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■手続法は具体的なイメージが湧き難い。 そこで本書の出番である。 民訴の副読本としてオススメ。
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人の世の不自然さが全面に出たアフターヌーン誌のようなカットの表紙が堪らない一冊。 借りた土地の上に住居を構えた平氏に降って湧いた立ち退き請求という、ザ・民事な訴訟を通じて裁判実務とその流れが網羅的に学べる一冊。 べらんめん調の主人公による日記も楽しいが、裁判官というお仕事が抱...
人の世の不自然さが全面に出たアフターヌーン誌のようなカットの表紙が堪らない一冊。 借りた土地の上に住居を構えた平氏に降って湧いた立ち退き請求という、ザ・民事な訴訟を通じて裁判実務とその流れが網羅的に学べる一冊。 べらんめん調の主人公による日記も楽しいが、裁判官というお仕事が抱える構造的な問題、心象の出来ていき方、起案、そして判決に至るまでという側面も垣間見ることができた点、大変勉強になりました。
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民事訴訟の流れをつかむにはとっても便利。 私は本当に素人なので解説を全て理解するのはとうてい無理だったけど、法律をちゃんと勉強したい人にはいいんじゃないかな。 法律関係の本は、本当に一般人向けが少ない。そういう意味では、この本は貴重な作品だと思います。 精進します。。
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思いもよらない裁判沙汰。そんなときに役立つガイドです。 裁判制度、裁判の流れがよくわかります。 平凡吉という人物の日記に注釈が加えられる形式は、裁判という怖いイメージを和らげてくれます。
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