1,800円以上の注文で送料無料

北の彩時記 の商品レビュー

4

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2017/04/28

アイヌ語がつけられた自然物や風俗習慣を、季節ごとに簡潔に手際よくまとめたもの。アイヌの人々は信仰、生き方において、北海道の自然を敬い、必要なものだけを利用し、汚さないようにしてきた。自然の中に神々の存在を意識し、怒らせないように、静かに共存する、という考え方。人が死んだら1年かけ...

アイヌ語がつけられた自然物や風俗習慣を、季節ごとに簡潔に手際よくまとめたもの。アイヌの人々は信仰、生き方において、北海道の自然を敬い、必要なものだけを利用し、汚さないようにしてきた。自然の中に神々の存在を意識し、怒らせないように、静かに共存する、という考え方。人が死んだら1年かけて神の国に行き、そこでまた続きの営みがある、そんな考え方。人間が金属や爆薬を持たなかったころの営みに、懐かしいような、心が休まるような思いがする。和人が搾取し、アイヌの風習や漁や狩りを一方的に禁じ、強制的な同化を強いた歴史はもはや取返しがつかない。残念なことだが、そういう歴史から何かを学ぶことはできるだろう。こういう本を読んでよかったと思う。

Posted byブクログ