ガラスの短剣 の商品レビュー

ラリー・ニーヴン(著者),厚木淳(著者)

2020/11/05

独特の世界観が現在の世界の未来のよう。
伝染性肺炎で人口が減り、その上汚染されて自然水も猛毒な地球。
SFでは随分書かれることの多いシチュエーションだ。スター・トレックのように一応平和理に過ごしている未来より、とんでもなくなっている方が多いのはせつない。
中編集で、表題は他のスピンオフらしいが、まあ、それぞれ、たのしめる。
だが、数行読んでぶち当たる、ぎごちない翻訳はどうしたものだろう。
翻訳者のプロフィールが載ってるほど古い本のせいか、高校生の英語の宿題かとおもうような、直訳で、なれるまでよみにくい。
翻訳本が嫌いという人が多いのはこんなことのせいかとなっとくした。
ぎごちない文は吟遊詩人風とでも思って差し上げたい気持ち。
と言って原文で読むほどの熱意はない星4つ。

2017/02/02

「魔法の国が消えていく」の前日譚に当たる表題作を含む
短編集。タイムトラベルと幻獣を扱うスラップスティック
コメディとも言えるスヴェッツ・シリーズ5篇とテレポート
が実用化された社会を考える思考実験のような短編が収録
されているが、表題作を文庫として出版するために無理矢理
集められた印象がどうしてもぬぐえない。いや、それぞれ
読んでいて楽しい作品なのだが、それまでウォーロック
シリーズを読んでいたこともあり、ガラスの短剣だけが
突出した印象を残すのだ。もちろん、それだけを読むために
この本を手にするのは間違っていない(笑)。