過激な隠遁 の商品レビュー
「誰にしろ「楽しい」と感じる仕事に向けては、自分では制御できぬ道筋と資質によっていざなわれる。いうまでもなく、そこにはしばしば苦悩もまちかまえているが。」 また、代表的作品の《蝋燭》は「絵馬」だと画家が言っていたというのが印象的だった。 神は自分の中にいる。 凡夫の中の仏性に奉...
「誰にしろ「楽しい」と感じる仕事に向けては、自分では制御できぬ道筋と資質によっていざなわれる。いうまでもなく、そこにはしばしば苦悩もまちかまえているが。」 また、代表的作品の《蝋燭》は「絵馬」だと画家が言っていたというのが印象的だった。 神は自分の中にいる。 凡夫の中の仏性に奉納し続けた《蝋燭》に、私も釘付けになってしまったのです。
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「NHK日曜美術館展」のカタログを鑑賞し、 この画家に興味を持ち、探して読んだ本。 過酷な創作活動で終始した果ての、この画業。 まるで、修行した仙人の境地に達したような静謐。 才能とは?努力とは? 考えさせられました。
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長い間、埋もれていた画家ですが、その作品を前にすると、とことんまで突き詰めた極限描写にこちらの息も詰まります。 世俗から離れたところで、一人、修行僧のように描いていたのだろうと想像していたのですが、実は、マネージャー的な人もいないなか、個展から絵の販売、不動産の交渉まで、全て自...
長い間、埋もれていた画家ですが、その作品を前にすると、とことんまで突き詰めた極限描写にこちらの息も詰まります。 世俗から離れたところで、一人、修行僧のように描いていたのだろうと想像していたのですが、実は、マネージャー的な人もいないなか、個展から絵の販売、不動産の交渉まで、全て自身でやりつつ、作品を制作していたと知り、頭が下がった。 俗世にいながらにして、自分の生き方を貫いた、凄まじい人生を送られた方です。 反面、作品からは、ただただ、静謐さしか感じられません。描くことが画家の宗教的行為であるかのようで、風景画も静物画も、宗教画のように感じられました。 画家の思考の行き着く先は、「慈悲」だった。
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高島野十郎が64歳、著者が24歳の時の運命的な出会い。それ以後、著者の外国留学時期を除いての交流は、高島に「息子のような者」と言わしめてきた。 野十郎の言動、そして哲学的思想について、学者である著者の明晰で敬愛あふれる分析が胸を打つ。いくつかの野十郎評伝の中でも出色だ。 過去即...
高島野十郎が64歳、著者が24歳の時の運命的な出会い。それ以後、著者の外国留学時期を除いての交流は、高島に「息子のような者」と言わしめてきた。 野十郎の言動、そして哲学的思想について、学者である著者の明晰で敬愛あふれる分析が胸を打つ。いくつかの野十郎評伝の中でも出色だ。 過去即未来 時間即無 未来即過去 空間亦復如是 仏教的思想背景への考察も深く心に差し込まれる。 写実を超えた写実の「蝋燭」や「月」の作品が示すもの。 本当のアバンギャルド、過激な隠遁を支えた個の自覚に、言葉もない。
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