新版 保育者・教師のための子ども虐待防止マニュアル の商品レビュー
日々、子どもが傷つき、時には命を奪われる事件を耳にする昨今、「子どもを守る義務」をもつ大人たちにとって、本書はきっと欠くべからざる道しるべとなるでしょう。 表題に「保育士、教師のための」とあるように、本書は子どもと日常的に接する職種にある人々への啓発書です。そもそも児童虐待とは、...
日々、子どもが傷つき、時には命を奪われる事件を耳にする昨今、「子どもを守る義務」をもつ大人たちにとって、本書はきっと欠くべからざる道しるべとなるでしょう。 表題に「保育士、教師のための」とあるように、本書は子どもと日常的に接する職種にある人々への啓発書です。そもそも児童虐待とは、という説明から始まり、虐待を受けている子どもが発するさまざまなサインを紹介し、疑わしい子どもを発見した場合はどう対処すればいいのかという指針まで、非常に分かりやすく網羅されています。児童虐待防止法では、子どもと関わることの多い職業に従事する人に対しては、一般の国民よりも重い「虐待早期発見」の努力義務が課されています。将来、もっともっとこの問題が大きくなるだろうと指摘する本書の警告を、真摯に受け止めたいものです。 かく言う私も、その努力義務を課された一人です。本書は私が仕事関係で読んだ本であり、出張でとある会合に出席した時に購入したものなのですが、心理学の技能を一応の糧としている身として、こういう本が広く世に出されるというのは実にありがたいことだと思いました。眼を背けたくなるような経験をした子どもたちの実態を直視するのは大変つらいことですが、どうか、どうか、子どもに関わる従事者だけでなく、広く一般の人にも、本書を手にとっていただきたいと思います。 (2008年11月 読了)
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