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ロボット文明 の商品レビュー

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2013/04/03
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※このレビューにはネタバレを含みます

”犯罪者だけが住む惑星”という設定に引かれて読んだシェクリイの長編SF小説。 <あらすじ> 地球の犯罪者が流刑されるオメガ惑星に送り込まれる男が主人公の話。その惑星は犯罪者だけが住む世界であり、奴隷、平民、自由市民、貴族に身分が区別された階級社会である。殺人を犯すことが出世の手段であったりと善悪の価値観が逆転したような世界である。 オメガ惑星に送り込まれる犯罪者は、地球での過去の記憶を全て消去されている。惑星のルールを全て説明してくれる人がいないため、右も左のわからない主人公は度重なる試練に襲われるが、必要にかられて殺人等を犯し何とか生き延びる。主人公のサバイバル能力に目を付けた地球復帰を目論むグループが、主人公を先発として単身地球に送り返す計画を実行し成功する。しかし、地球に帰った主人公が観た世界は想像とは違うものであった。 <感想> 主人公がオメガ惑星で様々な試練に襲われる前半は、話が飛躍する場面も多いが、異様な世界感とスピード感を感じることが出来楽しめた。 地球に帰ってからの後半の話は、やや説明口調に感じる場面が多く、まとまりも悪く感じた。 オチは意外性はあるが、シェクリイの他の作品のような軽快な語り口では無いこともあり、理解し辛かった。 とは言え1960年にこんなに奇想で風刺が効いた話を思いつくシェクリイの発想力と世界観にはただただ脱帽する。 <結論> 誰にでも薦めたくなるような作品では無かったが、犯罪者だけが住む惑星という異常かつ独特な世界感は楽しめる。

Posted byブクログ