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新訳アヴェロンの野生児 の商品レビュー

4.4

5件のお客様レビュー

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2016/04/15

速読。12歳くらいで発見された野生児ヴィクトールの観察記録としてまとめられた本。19世紀初頭。 視覚、聴覚、触覚、嗅覚といった五感が生来的なものではなく、教育・学習の結果習得されるものだということを知らなかった。。。驚き。 しかも、一定年齢を超えてしまうと、後から学習するには限界...

速読。12歳くらいで発見された野生児ヴィクトールの観察記録としてまとめられた本。19世紀初頭。 視覚、聴覚、触覚、嗅覚といった五感が生来的なものではなく、教育・学習の結果習得されるものだということを知らなかった。。。驚き。 しかも、一定年齢を超えてしまうと、後から学習するには限界があるということ。この子は最後まで、話をすることはできなかったそうな。 もちろんこの時代だから、ヴィクトール少年がもともと障害を抱えていた子供なのか、それとも生来的には全く問題はない子供だったのかはわからないんだけど。 むかーし読んだ三原順の「はみだしっ子」に、子供は周りから働きかけがなければ何語を話すんだろう?と王様が実験して、誰からも話しかけられなかった子供は結局死んでしまったという挿話があったけど、それを思い出した。あれも何かの実話なのかな。

Posted byブクログ

2011/05/15
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※このレビューにはネタバレを含みます

野生児といっても、この子はベースとして『人』がある。 幼い時に捨てられた様子の彼。訓練、練習の報告書としては面白い。 ただし。 期間限定での報告書のなので、期間以上の事は記されていない。 付録として書かれているが、この方が私的には非常に興味を引かれた。 『白痴』と称されているが、コレって今で言う『難病指定』の脳の欠損? まぁ、18世紀の話であって、今と比較する意味は無いと思われるが。 当時は そう呼ばれていた のだという事実。 時代背景とか、当時の思想とかが読み取れて非常に面白かったです。 何故か付録にて、ヴィクトール(野生児と呼ばれた彼の名)のその後が載ってます。 推定40歳でこの世を去ったそうだが、何が原因なのかすら書かれていない。 放送禁止用語やら差別用語に指定されているのか、今ではすっかり聞かなくなった言葉が出て来ます。

Posted byブクログ

2011/02/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

トリュフォーの映画で「アヴェロンの野生児」を見て、原作を読んでみたい想い、この本を手にした。イタール博士の少年の観察記録が書かれている。様々な実験の結果、最終的にはイタール博士が想像していたものと違う結果となったが、綴られている記録は大変貴重だ。私は、人間と人間でないものの境目というものをトリュフォーの映画の中では考えていたのだが、本を読みながら、やはり言葉を話せるというのは人間にとって素晴らしいものだと感じた。共通言語というもつことによって誰かと、社会とつながれる大切さは人間社会にとてつもない影響力を与えている。そして幼児期に周りの環境によって、子供が取得する模倣は多大なる影響を与えていると感じた。人は家族や周りの社会を模倣しながら様々なことを覚えているのだなと実感させられた。なので、私の出した結果としては、人は共通言語を持っているという事と社会を構成していることで初めて人としてみとめられるのであろう。私はアヴェロンを人として思う。まず、感情表現ができるようになった事。文字をある程度覚えたこと。愛情を示したり、規律を守るようになっていくようになったことという結果があったからだ。イタール博士の辛抱強い教育に又、野生児を人として育てあげようとしたことに多大なる拍手を送りたいと思う。

Posted byブクログ

2009/10/04

これまた名前だけ知っていた、アヴェロンの野生児についての観察記録。単に観察記録というより、訓練と学習の記録というほうがしっくりくるのが、狼少女達のものと違うところ。医師イタールの、ヴィクトールに与える試練のどれだけ考えつくされていたことか、またどれだけの根気が要ったことか…、想像...

これまた名前だけ知っていた、アヴェロンの野生児についての観察記録。単に観察記録というより、訓練と学習の記録というほうがしっくりくるのが、狼少女達のものと違うところ。医師イタールの、ヴィクトールに与える試練のどれだけ考えつくされていたことか、またどれだけの根気が要ったことか…、想像するだけで気が遠くなりそう。 しかし、素晴らしいまでの知性の向上をみせたヴィクトールがついに言葉を全く会得しなかったのは不思議。環境だけではなく資質の問題もあったのか…?

Posted byブクログ

2009/10/04

18世紀末のフランスに現れた、野生児の教育兼研究をひきうけたイタール博士がに書いた「報告書」。報告書だからくどいところもあるんですが、それを差し引いても泣けます!(今は「泣けます」って言うな! ってご時世ですが、まあ許してください。) 野生児を育てるなかで、博士と野生児は最初まっ...

18世紀末のフランスに現れた、野生児の教育兼研究をひきうけたイタール博士がに書いた「報告書」。報告書だからくどいところもあるんですが、それを差し引いても泣けます!(今は「泣けます」って言うな! ってご時世ですが、まあ許してください。) 野生児を育てるなかで、博士と野生児は最初まったく噛みあわないんですが、そこにだんだん変化が現れていく。あくまで健気なふたりが、「進歩」のないもどかしさのあまり、ときどきとんでもなく投げやりになったりしてしまうシーンにははらはらさせられます。報告書ですが心情もかなりリアルなんです。 かたい本ではあるんですが、部数が出てるので簡単に手に入ります。やすやすと「オススメ!」とは言えない感じなんですが、それでも個人的には大好きな一冊。

Posted byブクログ