永遠の旅行者(下) の商品レビュー
元弁護士・真鍋に、見知らぬ老人麻生から手紙が届く。「二十億の資産を息子ではなく孫に相続させたい。ただし一円も納税せずに」重態の麻生は余命わずか、息子悠介は百五十億の負債で失踪中、十六歳の孫まゆは朽ちた家に引きこもり、不審人物が跋扈する。そのとき、かつてシベリア抑留者だった麻生に殺...
元弁護士・真鍋に、見知らぬ老人麻生から手紙が届く。「二十億の資産を息子ではなく孫に相続させたい。ただし一円も納税せずに」重態の麻生は余命わずか、息子悠介は百五十億の負債で失踪中、十六歳の孫まゆは朽ちた家に引きこもり、不審人物が跋扈する。そのとき、かつてシベリア抑留者だった麻生に殺人疑惑が浮上した。 まゆは幼い頃に母を殺された未解決事件にまだ苦しんでいた。アメリカで失踪した悠介の居場所はつかめない。麻生の死期は迫る。真鍋には時間がなかった。そもそも麻生はなぜ無税の相続に拘るのか?そして、まゆが何者かに誘拐された―。人間の欲望と絶望、金と愛情、人生の意味までを、大胆かつ繊細に描ききった新世代の『罪と罰』完結。
Posted by
アメリカで失踪した悠介の足取りがわかってきて、娘のまゆも回復に向かい、恭一は真相に近づいて行く。本当は、誰が、まゆの母親を殺したか。その答えが、謎のメッセージを送った犯人とともに、物語をクライマックスへと向かわせる。 税金、金融という無機質な題材を、物語のエッセンスとして取込...
アメリカで失踪した悠介の足取りがわかってきて、娘のまゆも回復に向かい、恭一は真相に近づいて行く。本当は、誰が、まゆの母親を殺したか。その答えが、謎のメッセージを送った犯人とともに、物語をクライマックスへと向かわせる。 税金、金融という無機質な題材を、物語のエッセンスとして取込み、より高いレベルで昇華させていく。20億円相当の資産を非課税でまゆに相続させるには、オフショア口座で債務を抱える方法を使う。お金を取り合うマネーゲームのようでいて、人生論に近い生き方の話がメインとなっていく。クールな表現とスリリングな描写の落差と、生々しいセリフが良かった。 生きる中で避けて通れないこと。金融、語学、IT。それぞれ向き合い方はあるけれど、仕事も家庭もプライベート、そして人生を楽しく、思いっきり生きたい。
Posted by
(上)に続いて(下)です。 国家に頼らないで自由に生きていく事を小説内で勧めていますが難しいですよね。
Posted by
最初は、くどくど説明が長いな、、と思って読み始めましたが、、 いつの間にかストーリーに引き込まれました。 永遠の旅行者と呼ばれる国籍を持たない人達。 税金を払わずにすんでいる彼らの生き方に憧れのようなものをかんじてしまうが、現実的には難しいよね。 美少女まゆを狙うのは一体誰か、母...
最初は、くどくど説明が長いな、、と思って読み始めましたが、、 いつの間にかストーリーに引き込まれました。 永遠の旅行者と呼ばれる国籍を持たない人達。 税金を払わずにすんでいる彼らの生き方に憧れのようなものをかんじてしまうが、現実的には難しいよね。 美少女まゆを狙うのは一体誰か、母親を殺した真犯人は誰か、最後まで騙されて読んでいました。 あとがきにもありますが、サスペンス的な要素の中に、戦時中、ロシアで強制労働を強いられた人々の苦悩が描かれているのも、より引き込まれる要素だと思います。 日本も相当ひどいことされてるのに、なぜ、日本の従軍慰安婦問題だけ取り沙汰されているのか、不思議でなりません。
Posted by
今回はお金メインの話ではなかったですね。永遠の旅行者の意義やメリットの話でもない。でもすごくいい本だったよ。後味悲しいけどね。
Posted by
ストーリー性のある税金について書かれた内容。結局相続税払わなくて済む事に。著者の専門的知識に脱帽だ。最後はサスペンス小説を読んでいるような心地だった。あの経済小説を書かれる黒木さんと書き方が異なる。楽しめた。
Posted by
舞台がハワイ→日本→NYへと移って行く。 後半のNYあたりは完全に引き込まれた。信託を勉強したいと思えたし、なによりストーリーがおもしろかった。 ただ、最後があまり好きじゃなかった。そこまで完璧だったのに、、 あと、随所で村上春樹っぽさを感じた。
Posted by
- 1
- 2