ソフトウェアの欠陥予防 の商品レビュー
副題に「テストより確実な品質改善法」なんてついているけど気にする必要はありません。原著にはそのような副題は付いていませんし、本書の述べている「最高の戦略」でも、 これは、将来の欠陥を予防する戦略です。潜在的な欠陥を予期できるテクニックに焦点を合わせ、可能性のある不具合を積極的...
副題に「テストより確実な品質改善法」なんてついているけど気にする必要はありません。原著にはそのような副題は付いていませんし、本書の述べている「最高の戦略」でも、 これは、将来の欠陥を予防する戦略です。潜在的な欠陥を予期できるテクニックに焦点を合わせ、可能性のある不具合を積極的に取り除き、低減するために、これらのテクニックを使用します。この戦略において、テストの主たる利用はソフトウェアの品質を「確認」することです。 となっています(テストがいらないってわけじゃあありません!)。 本書は、Microsoft Windows Defect Preventionチームの仕事の内容だそうで、欠陥予防に投資することが経済的に理にかなっていることの説明や、Vista開発時のゲームを使ったモチベーションアップの方法、テストしやすいソフトウェア、リスク分析、欠陥分析、FMEA/FTA/故障モデリング、予防タブ等々について書かれていてとてもためになりました。 ちょっと高い本なので、購入に迷われる方もいらっしゃると思いますが、そんな時には、各章のまとめが半ページから1ページ程度で非常によく書けているので、そこを立ち読みして判断されると良いと思います。 例えば、一番短い第6章のまとめは、 ソフトウェア全体のテスト容易性を高めるには、SOCK(単純性、観察性、制御、知識)のそれぞれを強化してください。必要以上に複雑すぎず、観察しやすく、制御しやすく、考えられる振る舞いについてテスト開発者に知識と予測性を与えるプロジェクトは、テスト容易性の高いプロジェクトです。テスト容易性を高めると、自動テストのコストを軽減でき、ソフトウェアが要求を満たしているかどうかを見極めるテストの信頼性と正確性が向上します。ソフトウェアのテスト容易性を高める最も現実な方法は、仕様書のインスペクションプロセスを行うことです。そこでテスト容易性のチェックリストを使用することにより、初めからテスト容易性を意識したソフトウェアの全体設計や詳細設計が推進されます。 です。 この本に、Wモデルと言う言葉はでてきませんが、Wモデルを実践するに当たって必要となる考えや、仕事の参考になるテクニックがたくさん載っています。 強いて難点を言えば、これだけのことをしてもVistaは失敗したということは、この本に書かれていない要求獲得が如何に大切かと言うことですよねぇ。(^_^;)
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テスト前に設計で不具合を止めたいので、その方法を探るための参考として購入。 翻訳書特有の読みにくさはあるけれど、頑張って読もう。
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