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小高へ の商品レビュー

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2022/03/02
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 1948年生まれ、写真家、島尾伸三「小高(おだか)へ」、父島尾敏雄への旅、2008.8発行。家族・親族のことを記した書です。戦後すぐの大変な暮らしの様子はよくわかりました。この本の位置づけは、著者の備忘録のような気がしました。

Posted byブクログ

2017/10/03

「小高へ 父島尾敏雄への旅」島尾伸三著、河出書房新社、2008.08.30 190p ¥2,520 C0095 (2017.10.01読了)(2017.09.28借入)(2008.11.30/2刷) 島尾敏雄著『死の棘』、梯久美子著『狂うひと』を読んだ後、図書館で島尾敏雄さんの日...

「小高へ 父島尾敏雄への旅」島尾伸三著、河出書房新社、2008.08.30 190p ¥2,520 C0095 (2017.10.01読了)(2017.09.28借入)(2008.11.30/2刷) 島尾敏雄著『死の棘』、梯久美子著『狂うひと』を読んだ後、図書館で島尾敏雄さんの日記を探していたら日記の隣にこの本が置いてありました。手に取って目次を見たら興味をひかれたので、借りてきました。 著者は、『死の棘』で伸一と書かれて登場する島尾敏雄さんとミホさんの長男です。写真家ということです。父、母、妹、親族の思い出などがつづられています。 期待したほどの内容ではなかったのですが、第七章の「骨」は、興味深く読みました。 友人の結婚式に出席するために香港に行っていたら、父親の死亡の知らせがあり、翌日飛行機や新幹線などを乗り継いで鹿児島に向かいます。母親のミホさんから死亡した時の様子を聞いたり、葬儀を行い、火葬し、お骨を拾って(骨壺二つに入れ)、自宅に戻ってからもう一度、骨壺から骨を取り出し、よく残っている骨とそうでない骨に分けて、よく残っている方は、ミホさんのもとに残し、もう一方は、福島県相馬の小高にある先祖のお墓に埋葬しました。 【目次】 第一章 父 第二章 妹 第三章 叔父 叔母 第四章 小岩から 第五章 小高へ 第六章 琉球旅行 第七章 骨 ●病気?(121頁) 中学のころから落ち着いて字が読めない病気が続いているのです。ノートに数行文字を書くと、頭が混乱して、字が書けなくなるのです。人の話も、一人の話を聞いているのが我慢できないのです。じっとしていると頭の中に幻覚のような声が、不愉快な別の話を幾つも始めるのです。 ●書庫で(158頁) 「ミホ、もういやだよ」と、言ったのだそうです。伸三が香港へ行っていて、本を書庫へ運ぶ人が居なかったので、おとうさんが運んでいて、倒れたのだそうです。どうして母屋の二階から車庫を手直しして書庫にした、寒い場所へ本を運んでいたのかというと、お母さんが着物をしまっておくタンスを二階へ置きたいと考えたからだそうです。 本は常に邪魔者にされ、それを整理して立て直すのは私の仕事です。 ●精神病院へ(169頁) どうやら、高校の時から私は精神が不安定で壊れているということになっていたようでした。 小学一年と二年生のころ、何度もお父さんとお母さんは私を精神病院へ入れようとしたり、登久子さんとの恋愛に夢中になっている三十歳前後にも、彼らは私を精神病院へ連れて行こうと計画していたので、益満君の観察が正しいのでしょうか。 ☆関連図書(既読) 「死の棘」島尾敏雄著、新潮文庫、1981.01.25 「魚雷艇学生」島尾敏雄著、新潮文庫、1989.07.25 「狂うひと」梯久美子著、新潮社、2016.10.30 (2017年10月2日・記) 内容紹介(amazon) 私小説を書く父、精神に変調をきたした母、「ちがう、ちがう」と言いながら死んでいった妹……。生地・小高、一緒に暮らした小岩、想い出の琉球旅行。名作『死の棘』の作者である父と、そこに描かれた今は亡き家族に捧げる鎮魂歌。

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