フィールド・オブ・イノセンス の商品レビュー
映画やロックについても触れながら、アメリカ文学と現代のアメリカ社会について論じた本です。また、デイヴィド・レーヴィットやスーザン・マイノット、モナ・シンプソン、チャールズ・バクスター、そしてアーヴィングへのインタヴューにもとづくエッセイも収録されています。 本書の序章にあたる「...
映画やロックについても触れながら、アメリカ文学と現代のアメリカ社会について論じた本です。また、デイヴィド・レーヴィットやスーザン・マイノット、モナ・シンプソン、チャールズ・バクスター、そしてアーヴィングへのインタヴューにもとづくエッセイも収録されています。 本書の序章にあたる「「無垢」というオブセッション」という文章では、J・D・サリンジャーやトルーマン・カポーティ、ジョン・アーヴィングなどの作品を参照して、ヨーロッパ文学のなかではあまりにもナイーヴなものとしてしりぞけられてしまうような「無垢」への愛と喪失が、彼らの作品の魅力をかたちづくっていることが論じられています。 ある程度定型化されたアメリカのイメージをなぞっているような印象もありますが、そうしたアメリカ文学の魅力に耽溺する著者の文章をたどっているとしだいに自分自身でその魅力に耽ってみたいと思わされます。
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かのM台真司大先生をして「傑作中の傑作」と言わしめた。しかも解説は村上春樹(!)という本書・絶版のためAmazonにて古書で購入。カポーティ―やサリンジャーなど、アメリカ文学にほとんどなじみのない私でも知っている作家たちに共通する「孤独」や「無垢」といった性質を解き明かす。評論本...
かのM台真司大先生をして「傑作中の傑作」と言わしめた。しかも解説は村上春樹(!)という本書・絶版のためAmazonにて古書で購入。カポーティ―やサリンジャーなど、アメリカ文学にほとんどなじみのない私でも知っている作家たちに共通する「孤独」や「無垢」といった性質を解き明かす。評論本であるにもかかわらず、川本三郎大先生の文章は、文章法の本を書いているだけあって、エッセーのようで読みやすい。著者が青春を過ごした60年代の風俗が生き生きと描かれている。勉強になってしかも面白いという超名著。
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