竜二 映画に賭けた33歳の生涯 の商品レビュー
癌に冒されても、初めての主演映画『竜二』を作りあげ、封切り直後にそれを見届けたように逝ってしまった伝説の俳優金子正次。烈しく生きた男の生涯に肉迫する峻烈なノンフィクション。 都会に憧れて、東映の任侠映画に憧れて、家出を繰り返して、小劇場のオーディションを受けたり、演劇団体を立ち上...
癌に冒されても、初めての主演映画『竜二』を作りあげ、封切り直後にそれを見届けたように逝ってしまった伝説の俳優金子正次。烈しく生きた男の生涯に肉迫する峻烈なノンフィクション。 都会に憧れて、東映の任侠映画に憧れて、家出を繰り返して、小劇場のオーディションを受けたり、演劇団体を立ち上げて公演したりの紆余曲折が面白い。 松田優作とのライバルのような友情関係、現場の混乱や制作費の逼迫で何度もお蔵入りになりそうになりながらも完成させた自主映画「竜二」制作秘話、日本映画界の生々しい伝説が生き生きと描かれたノンフィクション。
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金子の突っ走った域急ぐような行動が印象的だった。口絵の写真を見るとなんとなくミッシェルのチバユウスケに似ているような気がする。映画作りのむずかしさ、現場の大変さがよくわかる。癌の末期、病院のベッドで意識が朦朧としている竜二を見舞った吉田に対してひとこと「おう、吉田か」とだけ話すと...
金子の突っ走った域急ぐような行動が印象的だった。口絵の写真を見るとなんとなくミッシェルのチバユウスケに似ているような気がする。映画作りのむずかしさ、現場の大変さがよくわかる。癌の末期、病院のベッドで意識が朦朧としている竜二を見舞った吉田に対してひとこと「おう、吉田か」とだけ話すと再び意識が混濁し、「ねえ、看護婦さん、吉田という男が見舞いにくるから、よろしくね……」と言うところでジンと来た。読了後時間がたってしまったので細部については印象が薄れてしまったのが残念。もう一度読み返そう。20020824
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