日本の古典をよむ(19) の商品レビュー
授業の予習として『雨月物語』の「菊花の約」、「浅茅が宿」、「吉備津の釜」を読んだ。 貴志祐介の『十三番目の人格 ISOLA』に「吉備津の釜」の磯良が怨霊として出てきたため磯良に対して怖いイメージしかなかったが、怨霊になる前は想像より何倍も心優しく純粋な女性だったので、怨霊になって...
授業の予習として『雨月物語』の「菊花の約」、「浅茅が宿」、「吉備津の釜」を読んだ。 貴志祐介の『十三番目の人格 ISOLA』に「吉備津の釜」の磯良が怨霊として出てきたため磯良に対して怖いイメージしかなかったが、怨霊になる前は想像より何倍も心優しく純粋な女性だったので、怨霊になってしまうまで裏切られた人生をとても悲しく感じた。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 江戸時代、上方に生まれた屈指のストーリーテラー、上田秋成と近松門左衛門の傑作を収録。秋成は、人の執念の怖さを怪異小説『雨月物語』に描いた。義兄弟の契りを交わした兄が死霊となって会いに来る「菊花の約」、長期の不在の後、帰郷した夫が妻の幽霊と一夜を過ごす「浅茅が宿」、不実な夫を恨んで死んだ妻が恐るべき復讐を遂げる「吉備津の釜」、愛する童子の死肉を喰らい鬼となった僧が悟りを得る「青頭巾」の四編を収載。対して近松は、人の心の弱さが生む悲劇を浄瑠璃に語った。遊女買いに店の金を使い込んだ果ての逃避行『冥途の飛脚』、妻と愛人の間で義理と人情の板ばさみとなり、ついに凄惨な心中を遂げる『心中天の網島』を収載。
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2015.1記。 古典現代語訳ダイジェストを読む。 「雨月物語」 読んで見てしみじみ、「これはオトナのホラーだな」と再認識。 思えば、西洋の怪談は古いお城で亡くなったあるじの亡霊がどうのこうの、という話。こちらは、「人間の業とはかくも深きものか・・・」という話。怖さの対象が「...
2015.1記。 古典現代語訳ダイジェストを読む。 「雨月物語」 読んで見てしみじみ、「これはオトナのホラーだな」と再認識。 思えば、西洋の怪談は古いお城で亡くなったあるじの亡霊がどうのこうの、という話。こちらは、「人間の業とはかくも深きものか・・・」という話。怖さの対象が「あっちの世界」なのか、「人間そのもの」なのか、の違いというか。 血も凍るエロティシズム、です。こわいわー 「冥途の飛脚」 初めてまともに読んだ近松門左衛門。まさに一気読み。 まず、飛脚という商売が、江戸時代の金融業というか、一種の信用状機能を果たしていたことを何気ない会話の中で紹介していく。現代人が業界モノのドラマを見るように、江戸期の人々はこういう人情話を通じてお金のまわり方の知識も得ていたのかもしれない。 人の決済を代行しているだけなのだが、日々何千両という大金を扱う中で次第に麻痺していく金銭感覚。プライド、という名の弱さに負けて公金に手を出し、転落する悪夢。18世紀初頭の作品とは言え、ほとんど口語調でそのまま理解できる。「嘘に嘘が重なって、初手のまことも虚言となれば、今何を言うても、まことには思われじ」・・・ ちょうど今日の日経朝刊記事は「文楽劇場で8年ぶりに『冥途の飛脚』を上演」。ここまで面白いならぜひ観てみたいが・・・。
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タイムスリップするならば、絶対に江戸時代。町人文化の爛熟期、元禄の頃の町人になりたい。雨月物語は切なく美しい。時々無性に読みたくなる。 私の大好きな椎名桔平さんが演じた【吉備津の釜】ろくでなし若旦那の正太郎。鮮烈でよく覚えている。あの時自分は一体いくつだったのだろう?しょーもな...
タイムスリップするならば、絶対に江戸時代。町人文化の爛熟期、元禄の頃の町人になりたい。雨月物語は切なく美しい。時々無性に読みたくなる。 私の大好きな椎名桔平さんが演じた【吉備津の釜】ろくでなし若旦那の正太郎。鮮烈でよく覚えている。あの時自分は一体いくつだったのだろう?しょーもない男っていーよねー。←軽 菱田春草の如し扉絵の黒猫チャンも好き。こちらの小学館の日本の古典を読むシリーズは本当に装丁が美麗でうっとりします。図書館で取っ替え引っ替え出したり入れたり、たまに借りたりします。 ただ、こちらのシリーズはダイジェスト版であり、全ての作品が収録されている訳ではない。そこが最大の難点。ざっくり眺めたい方向けですね。
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図書館で借りた。 タイトルにある作品が現代語になっており、読みやすい。 雨月物語は全て収録されていない。 ここに収録されていない雨月物語の残りを読みたくなった。 冥途の飛脚、心中天の網島を読んで、遊女を買う システムに興味を持った。
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