不屈 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
競馬シリーズ35作目。 今回は画家アリグザンダー。 といっても信頼を裏切らない男、僕力に屈しない男であることは、 いつも通り。 伯爵である伯父から借りている電気のない山小屋に住み、 ゴルフの絵を描いて生活の糧としている。 ところがある時、母の再婚相手が心臓発作で倒れ、 母のところへ行こうとした時に、何かを沙汰している男たちに襲われる。 怪我をおしてかけつけると、 義父が経営している醸造所のてこいれと 所有している馬と歴史的価値のあるカップを隠すことを頼まれる。 ボディガードも兼ねて雇った探偵が面白かった。 変装の天才で一人で二人の探偵がいるように見せかけることができ、 女性にも化け(だがアリグザンダーには見破られる)、 最後にはサッカーファンがてんこ盛りのバスを乗っ取り、 アリグザンダーの危機的状況を助けた。 無料でビールが飲めると言われて来たフーリガンたちが、 乗り込んできて暴れている横で、 背中の火傷を冷やすために金魚の池に横たわる姿はシュールだし、笑えた。 馬を二度も自ら連れて行って隠したり、 横領された会社の金を隠した場所のヒントを探したり、 伯爵の宝を隠しとおし、 博物館に納めるように食い下がる研究者を追い払ったりと、 画家とは思えぬ八面六臂の活躍だった。 それと、 途中で出てきたバンベリイの童謡というのはマザーグースの一つらしい。 この訳であっているのか不明なぐらい、童謡の歌詞とはつながらない感じだが。
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2019/12/23読了。なんか彼の作品に凝ってしまった。 文章の中の人生訓ではないが、つい書き留めてしまう。 無意味であったことを認めて、そこから出発するのが “何より重要だ” ああ、勇気づけられる。確かにね。
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面白い。 競馬シリーズは裏表紙の紹介文ではさして興味が湧かなくても、読み始めると20~30頁で物語りに取り込まれてしまう。だから安心して手にとれる。 テーマは宝隠し。宝探しじゃなくて隠す方。子供の頃に誰もやったんじゃないかな。読者の琴線に巧く触れてくる感じ。興味が湧かないわけが...
面白い。 競馬シリーズは裏表紙の紹介文ではさして興味が湧かなくても、読み始めると20~30頁で物語りに取り込まれてしまう。だから安心して手にとれる。 テーマは宝隠し。宝探しじゃなくて隠す方。子供の頃に誰もやったんじゃないかな。読者の琴線に巧く触れてくる感じ。興味が湧かないわけがない。 いつものように競馬とは関係ない雑学が披露される。今回はスコットランド史、アクリル絵の具、会社更生。これがまた楽しい。
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タイトル通り、不屈な主人公! フランシスの主人公は皆、そういう性格とも言えるけど… 画家という職業で、髪が長くカジュアルな服装、特に身体を鍛えてもいないという、一見やわなタイプ。 実際には子供の頃から山歩きをしているのだが。 母が再婚した相手が心臓発作で倒れたとの知らせに、スコッ...
タイトル通り、不屈な主人公! フランシスの主人公は皆、そういう性格とも言えるけど… 画家という職業で、髪が長くカジュアルな服装、特に身体を鍛えてもいないという、一見やわなタイプ。 実際には子供の頃から山歩きをしているのだが。 母が再婚した相手が心臓発作で倒れたとの知らせに、スコットランドからロンドンへ駆けつける。 義父の会社が会計主任の横領にあって窮地に陥っていた。門外漢なのに、会社の経営を任される。 何の得にもならず、危険がいや増すばかりという状況に潔く身をさらす… 1996年、MWA最優秀長篇賞受賞作。
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