郵便配達は二度ベルを鳴らす の商品レビュー
ハードボイルドの祖に…
ハードボイルドの祖にして、後のカミュにも影響を与えた、非情でロマンチックなノワール小説。
文庫OFF
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意外にも“顔”の見えない小説だった。 ニックとコーラ、そして主人公のフランクの3人で暮らし始める冒頭からニック殺害までは、実に際立っていたのだが、その後の裁判において弁護士や検事が出てくる辺りから、全体像がぼやけて非常に散漫な印象を受けた。 主題が見えないのだ。 結局フランクは捕まり、死刑執行までにも至る。だが、捕まる時の彼は冒頭に現れた時の彼ではなく、女を愛し、共に暮らす事を望む1人の男にしか過ぎない。 そうか、幸福とは掴もうとするとするりと抜けていく皮肉なもの、そう作者は云いたいのか。 もしくは悪行は必ず報いを受けるものだと? もう一度、数年後に読み返す必要があるのかもしれない。
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主人公の男が我々に寄り添っていて順番に語る。それでも男らしい男のキャラクターが心地よい。 女を含め次々と想定外の出来事が起こるがうまくまとまっている、どころかその上をいく。ストーリーとして、非常に面白い。 二度犯罪を企むが企んだ通りにはいかない。裁判では事実と違う筋書きの基に判決...
主人公の男が我々に寄り添っていて順番に語る。それでも男らしい男のキャラクターが心地よい。 女を含め次々と想定外の出来事が起こるがうまくまとまっている、どころかその上をいく。ストーリーとして、非常に面白い。 二度犯罪を企むが企んだ通りにはいかない。裁判では事実と違う筋書きの基に判決が下る。推理小説っぽくもあるが、犯人の一人称で出来事が起こった順番に書かれるのに、このドキドキ感はスゴい仕掛けだ。 おれ、という一人称もぴったり。
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The Postman Always Rings Twiceというタイトルが、意味無く付けたとの俗説であるが、結果的に印象的な小説のメタファーとなっている。違うタイトルなら、違った評価を受ける作品になっていただろう。 文体と訳文が、アメリカのハードボイルド文学を意識しまくりなのも...
The Postman Always Rings Twiceというタイトルが、意味無く付けたとの俗説であるが、結果的に印象的な小説のメタファーとなっている。違うタイトルなら、違った評価を受ける作品になっていただろう。 文体と訳文が、アメリカのハードボイルド文学を意識しまくりなのも面白い。今や、スギちゃん口調といわれちゃうぜ~
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人を殺すと人間こんな風になっちゃうんだなぁ、という点でリアル。 圧倒的な絶望しかないラストがよい。
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映画のイメージが強くなかなか手を出せなかった・・・けど、面白~い!!なんとなくフランクがライ麦畑の少年と重なるのは独白調で書かれているだけではないだろう。自分が思っているほど賢くないし大物でもないのに、語るほどに安っぽくなっていることに気がつかない。でもフランクとコーラ、これ純愛...
映画のイメージが強くなかなか手を出せなかった・・・けど、面白~い!!なんとなくフランクがライ麦畑の少年と重なるのは独白調で書かれているだけではないだろう。自分が思っているほど賢くないし大物でもないのに、語るほどに安っぽくなっていることに気がつかない。でもフランクとコーラ、これ純愛じゃないですか?私はそう思う。求めているものも愛も同じようにあるのに、どこかが微妙に違うもどかしさ・・・頭でもう少し考えられたらその場しのぎで抱き合うことでごまかすこともなかったように思う。最後、突然変わる語調が効いてると思います。
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これが、ハード・ボイルド文学なんだ。 正直、どう良いのかよく分からなかった。 結末には驚いたが。驚かせる結末が、この本の面白さなのかな? 映画化もされているみたいだし、映画を見ればまた良さが分かってくるのかな?
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暴力、恋愛、文章のささくれ立った感じ、ストーリーが行き当たりばったりなのも、男女がどうしようもなく転がり落ちていく感じが出ていて好き。 私の解釈が正しければ、最後の結末にはただただゾッとさせられた。 やっぱりホラーよりも、人間の心の中の怪奇を突き詰めていくほうが私は好き。 何...
暴力、恋愛、文章のささくれ立った感じ、ストーリーが行き当たりばったりなのも、男女がどうしようもなく転がり落ちていく感じが出ていて好き。 私の解釈が正しければ、最後の結末にはただただゾッとさせられた。 やっぱりホラーよりも、人間の心の中の怪奇を突き詰めていくほうが私は好き。 何が起きてもおかしくないのに、そこに必ず理由があるのが面白いと思うのです。
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映画の印象が強かったので、本を読むのが遅れてしまいました。 映画の原作は読むようにしています。 映画研究会に参加していたことがあるので、映画の作り方には興味があります。 原作を反映した映画もいいですが、原作を超える映画もいいと思っています。 原作と、映画が、かなり別物で、それぞれに成功している場合もあるかもしれません。 まだ、本作品の核心をつかめていません。
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名作と思ってよんだが、きつかった。はじめての体験。翻訳がすごく直訳っぽくて入り込めなかった。これがハードボイルド小説なの?
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