左近の桜 の商品レビュー
シリーズの新刊が出たから、復習のつもりで再読♪やっぱりこの雰囲気、大好きだわ~(ノ´∀`*)しかし、最新刊は未だ図書館に入らず(--;)3冊目まではあるのに~・゜・(つД`)・゜・
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友達の紹介で読みました。 男同士の情事を目的に逢瀬を重ねる者たちにとっての憩いの宿、「左近」。そんな宿屋「左近」の長男(16歳)桜蔵はあらゆる状況で異界のもの、妖のものを惹き付けてしまう魅力を持つ。それは本人が気づいていない、また認めようとしないが、魂は女である故に。 桜蔵の隙だらけで自分の本性に気づけていない初々しさに性別を超越した魅力があるだと感じました。文体や言葉のセンスが耽美、幻想的、古典的で、堅苦しくない程度の日本語の重厚さを感じることができる作品です。知識不足で理解出来ていない世界観もあるのですが、古典や日本史好きの方なら好ましく感じる世界が広がっているのではないでしょうか。
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面白いし好きなんだけどどこに行き着くのかなーと。主人公が「桜蔵(さくら)」でなぜか桜金造が想起されて困った。吉田健一の『金沢』と波津彬子の『雨柳堂夢咄』と今市子の『百鬼夜行抄』とほんのちょっと『蟲師』をかけあわせたみたいな感じで楽しめるんだけど。
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男同士の逢引宿の長男である桜蔵は、異界のものを「うっかり」拾う性質。しかも魂は女であるというので、喰われたり養ったりつけ込まれたりする。 桜蔵の無防備さと登場する男たちの胡散臭さに読んでいてヒヤヒヤ。耽美な話だった。
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自分の気持ちとは裏腹に異界の男を拾ってしまう桜蔵。 拾う、というより勝手に異界の男になつかれてしまう質のようで…。 長野さんは初読み。 連作短編全体の妖しい雰囲気にぞくぞくしてしまう。 「女の子はだめだよ。女性は現実的だから、魂のありかなんて見えない」には思い当たる節あり。 『骨箱』『瓜喰めば』『海市』が特に印象に残った。 異界のBLもの…いまいち気持ちが入りにくかった。 物語がBLでなければもっと読み込めたのかも。 文章や描写が美しかっただけに残念。
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武蔵野にたたずむ料理屋「左近」。じつは、男同士が忍び逢う宿屋である。宿の長男で十六歳の桜蔵にはその気もないが、あやかしの者たちが現れては、交わりを求めてくる。そのたびに逃れようとする桜蔵だが…。
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初出 2006〜07年「野性時代」 シリーズ第1作となる12話 知らずに新刊の第3作を読んだので遡り。 男子高2年の左近桜蔵(さくら)はゲイ専門の連れ込み宿「左近」の息子で、れっきとした年上の女性の恋人がいるのだが、父親を含むその手の男たちからは「魂が女に見える」と言われ、なぜ...
初出 2006〜07年「野性時代」 シリーズ第1作となる12話 知らずに新刊の第3作を読んだので遡り。 男子高2年の左近桜蔵(さくら)はゲイ専門の連れ込み宿「左近」の息子で、れっきとした年上の女性の恋人がいるのだが、父親を含むその手の男たちからは「魂が女に見える」と言われ、なぜか死者やあやかしの男たちを拾ってしまう。 墓地で拾った男は弟の担任になり、蝶の採集家には背中に蝶の標本を写しこまれ、父から託された仕掛け徳利を持ち込んだ質屋では死んだ息子から口うつしで酒を飲まされ、別荘地のバンガローではかつてそこにあった家に関わっていた死んだ男に出会う。幼い頃祖母の死んだ夜にやってきた鵺(ぬえ)が別の男や恋人の体に乗り移ってやってきて桜蔵に鏡を探させ、修学旅行先で訪ねた和紙問屋では蟋蟀に宿っていた男に「虫養い」される。 他にもドライブで拾った事故死していた若者、年百年も生きた大蛤にも出会うが、父や母(正妻のほう)が全く変に思っていないところが怖い。
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長野まゆみさんの初期作品が好きです。 初期作品は、同性愛ものがほとんどなので、これも同じ感じだと思って読んでみたんだけど、結構妖しさというか、いやらしさが多くて、好みではなかった。 作品は短編連作。 時代は昭和かな? 少し古い感じのするイメージで、武蔵野にある男と男が逢引する宿...
長野まゆみさんの初期作品が好きです。 初期作品は、同性愛ものがほとんどなので、これも同じ感じだと思って読んでみたんだけど、結構妖しさというか、いやらしさが多くて、好みではなかった。 作品は短編連作。 時代は昭和かな? 少し古い感じのするイメージで、武蔵野にある男と男が逢引する宿が舞台。 そこの宿の経営者の息子と、その息子に魅せられて寄ってくるお化けの男との、同性愛の話です。
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「海市」、その次に「骨箱」「秋草の譜」が好み。 「海市」は、読みながら眼前に広がるイメージの美しさに恍惚となった。金銀御殿、宴の喧騒、純白の花嫁衣裳、盃から溢れる桜の花びら。身に纏い付く花びらの重みすら感じられた。本の世界を「体感」できたのは久しぶり。 映像化してほしいが、映像...
「海市」、その次に「骨箱」「秋草の譜」が好み。 「海市」は、読みながら眼前に広がるイメージの美しさに恍惚となった。金銀御殿、宴の喧騒、純白の花嫁衣裳、盃から溢れる桜の花びら。身に纏い付く花びらの重みすら感じられた。本の世界を「体感」できたのは久しぶり。 映像化してほしいが、映像ではとても表現できないと思い直した。 残念なのは帯。「交わりを求めてくるのは、あやかしの者ばかり。その気はないけど、ちょっといい感じ?!」って…。作品の情緒をぶちこわす軽薄な文句に、鼻白む。
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図書館で借りてきた長野まゆみ作品は枕の下に隠していたあの頃…。 主人公くんはもうちょっと抵抗してもいいのではないか?それともやはり元々…。 とりあえずちょうちょえろいです。
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