マルゴの調停人 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「百鬼夜行の少年」を読んだときに巻末広告を見て 「面白そう」 と、思って借りた。 借りては期限が来て読まずに返し、また借りては延長し、を、繰り返したので、実際手にしてから読了するまで3か月以上はかかってるかもしれへん。(;^ω^) (延滞はしてへんねんけどね) さて、そんな具合にある意味苦労して読んだ本やったんやけども、大変面白かった。 続編があるならぜひ読みたいけど、残念ながら蔵書にはなし。 ネタバレ覚悟で調べてみたら、次作が1冊出てるだけで、それ以降は刊行されてない感じ・・・? 著者はもう書いてられないのかしら・・・。 第四回C★NOVELS大賞の作品やったようです。そらもう、C★NOVELS仕立てになってる。 あとがきで著者が「たくさんの人の手が入り、話の核は変わっていないものの云々」と、書いてはって、 「そうか、新人作家さんが書いたものってあれこれ改稿されるもんなんやな~」 とか、思った。 シンガーソングライターが最初のこれはプロデューサーの手がものすごい入るのと似たようなもんなんかな。 (よう知らんけど) オイ せやけど、一読者としてはそのような舞台裏はちっとも感じずに大変楽しんで読みましたよ! ケンが疑り深いのもご愛敬。 そら、単身でアルゼンチンに来て、初対面の人にああやこうや言われてホイホイと信じるのもどうかと思うわな。 そもそも佐々木氏はなかなかの曲者のようなので、ケンとイサと(ノエルも含めて)いいチームワークになると思うんやけどなあ。 それだけに、今後の彼らの活躍も見てみたかった・・・。 だって、やっと最後の最後に 「調停をやりたい」 って決めたところやったのに・・・。 話の本筋は、これからでしょうよ・・・。 そもそも、「調停人」っていうのがいいよ。 裁判官でも陪審員でもなく、「調停」するわけね。双方の言い分を聞いて、間を取る策を考える人。決して、執行する権限はない。 今回は人間同士の「調停」をやったけれど、基本相手は「人ならぬもの」と「人間」もしくは「人ならぬもの」同士の調停やったりするんかな。 妖怪絡みの案件なだけに、こちらの常識や日常とはまったく違う世界でのもめ事になり、限りなくファンタジック。 そういうの、大好物やからね・・・。 あちらは妖怪ではなく神様やけど、「神様の御用人」だって、神様の「御用聞き」をやってるんやから、似たようなものといえば似たようなものですやん。(かなり広い意味でやけど) でも、こちらはかなり生臭い(笑)。そこらへんが、C★NOVELSやんね。 生臭いファンタジックはそれはそれでいい味でした。 せやけど、ケンが調停人になるかどうかやイサや佐々木を信用していいのかなどなど始終グルグル悩んでるのは、辛気臭いというかなんというか。(笑)。 そこはもう早々に思い切っていいんちゃうの、主人公なんやし!! と、何度叫びたくなったか。 そしてこの主人公は、何度窮地に陥るのか・・・。 ケンは17才やったかな。高校2年生で、これからのことはまったく決めていない、とのこと。 この年齢で将来の計画図を持っていない、もしくはすぐに立てられない(ことが許される)のは一部の先進国だけだ、と、いうようなことが書いてあったのが印象的。 確かに、17才で将来何がしたいかしっかり考えてる人のほうが少ない? どうなんやろ。 少なくとも私らの時代では、漠然と考えてる人がちょいちょいいてるくらいで、大概の17才は基本 「大学に入りたい」 なんやろうなあ・・・。 今でもそうなんかなあ。 ちなみに私は、漠然と考えてる派でした。 なぜなら、大学進学はまったく考えていなかったので。 ただ、でも・・・。 確かに、ケンがいうように、「目隠ししたって何がどこにあるかわかる範囲の世界」での生活から世界に飛び出すのは勇気がいるね。 勇気はいるけど、「必要とされる」と、いうことは、何にも代えがたいもののような気もするなあ。 結局、必要としてくれる人を探してるような気がする、ずっと。 必要としてくれる人のためなら、努力をする大義名分ができるから。 でもそれは本当は、自分のために努力をしてるんだけど。それも、どこかでわかってる。 (2016.10.15)
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テンポはあまりよくなかったのですが、なぜか読みやすかったので2時間もかからずに読めてしまいました。 全体的には面白かったのですが、もう少し調停人が仕事をしている描写が欲しかったかも。 次回に期待。
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・ケン、イサ、佐々木の奇妙な友人関係が面白かった! ・調停人という珍しい職業を中心にお話は展開。 ・設定も、妖怪とか出てきて飽きない。 ・主人公の類稀な才能が、今後どうなっていくのか期待!
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ストーリーがわりと新鮮で面白かったです。 でもお話として盛り上げ方がイマイチだったようにも思う。見せ場が少ないと言うか。 進路など考えてもいなかった賢斗。父親の住むブエノスアイレスに遊びに行くことに。飛行機で出会ったイサと街で再会。 しかし、イサを追いかけていて治安の悪い場所に入...
ストーリーがわりと新鮮で面白かったです。 でもお話として盛り上げ方がイマイチだったようにも思う。見せ場が少ないと言うか。 進路など考えてもいなかった賢斗。父親の住むブエノスアイレスに遊びに行くことに。飛行機で出会ったイサと街で再会。 しかし、イサを追いかけていて治安の悪い場所に入り込んでしまいギャングに追われることに・・・ そしてイサとの出会いは仕組まれていて、賢斗は『調停人』にならないかと誘われる。
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前文主人公の一人称なので、一人称が得意じゃない人には ちょっと読み辛いかもしれません。 父親が単身赴任している外国へと出かけていっただけが えらく大事になってしまったお話?w 騙されているのか違うのか。 心の移り変わりや感情は分かりやすくて読みやすかったです。 が、主人公以外常...
前文主人公の一人称なので、一人称が得意じゃない人には ちょっと読み辛いかもしれません。 父親が単身赴任している外国へと出かけていっただけが えらく大事になってしまったお話?w 騙されているのか違うのか。 心の移り変わりや感情は分かりやすくて読みやすかったです。 が、主人公以外常識人がないというか 灰汁が濃すぎる人達(笑) ちょっと面白いです。
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中央公論社のC★NOVELSさんは二段組みで読み応えあって好きなんだけど茅田氏以外にハマれる作家さんがいなかったので今後に期待。二冊目も面白かったのでしっかり続いてほしいなあ…
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キャラクターが魅力的でした。 調停人という、争いごとの調停をする話なんだけれど これは作者側にかなり頭の良さが要求される話だなぁ・・と思いました。 主人公の調停に関する才能が天才並みってことで、いつも「正しい」裁きをすることが求められますよね。 そんな才能あったら戦争起きない・・...
キャラクターが魅力的でした。 調停人という、争いごとの調停をする話なんだけれど これは作者側にかなり頭の良さが要求される話だなぁ・・と思いました。 主人公の調停に関する才能が天才並みってことで、いつも「正しい」裁きをすることが求められますよね。 そんな才能あったら戦争起きない・・・ってちょっと思いました。
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ブエノスアイレスの空気や、人ならぬものや調停人などという、少々風変わりな世界観を細やかに描けている。 妖怪たちの、暗く蠢く闇の雰囲気はあるが、基本は少年の成長物語。 うまくまとめてはいるが、割とじっくりと進むので、物語はまだシリーズ序盤といった感じがする。 テンポよく進むと...
ブエノスアイレスの空気や、人ならぬものや調停人などという、少々風変わりな世界観を細やかに描けている。 妖怪たちの、暗く蠢く闇の雰囲気はあるが、基本は少年の成長物語。 うまくまとめてはいるが、割とじっくりと進むので、物語はまだシリーズ序盤といった感じがする。 テンポよく進むとはいいがたい分、中盤まで退屈になる人もいるかも。 主人公の内面もよく描かれていて、他キャラも個性的なんだが、個人的には登場人物全員が好きになれない。
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何気なく手にとって読んでみたら 人外のものが出てくるなんて。 普通の少年がとんでもないことに巻き込まれて成長。
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ほぼ表紙買いでしたが、当たりだったと思います。 文章も読みやすく、分かりやすかったので、どんどんと読み進めていくことが出来ました。 続編出て欲しいですが、動でしょうか、中央公論新社さま?(笑)
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