新しい貧困 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
近代、工業化が貧民を労働者として掬い上げることは社会秩序の安定にも繋がったが、生産性の向上が産んだ現代の「失業」は既に「余剰」である…と、分析はいいけど、訳者あとがきにもある通り、踏み込み不足感が強い。ページ数が足りないのかな?
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労働倫理が逆に貧困者を貧困から抜け出すことを妨げる、という論旨に目から鱗。学校現場でしばしば見られている労働倫理への従属性が、社会改変の妨げになるのかも、ととびきりでっかい謎を残してくれた一冊。読んだ人の専門性によって、生まれる謎は形を変えるだろうけど、刺激的な社会観をプレゼント...
労働倫理が逆に貧困者を貧困から抜け出すことを妨げる、という論旨に目から鱗。学校現場でしばしば見られている労働倫理への従属性が、社会改変の妨げになるのかも、ととびきりでっかい謎を残してくれた一冊。読んだ人の専門性によって、生まれる謎は形を変えるだろうけど、刺激的な社会観をプレゼント、もしくは、それを考える視座を与えてくれることは間違いない。現代社会を学ぶ人はとりあえず読まなきゃ。バウマン先生の本にしては読みやすいです。
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労働倫理について調べていたら、どうもキーになりそうな本であることが分かり注文。うまくまとまればいいけど…
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原著は95年に出版されたそうですけど、内容はちっとも古くないです。今の日本の状況にぴったりな感じ。著者が最後に示唆するような方向に世界が(そして日本も)変わっていきそうもないので、現代「消費社会」の一人間廃棄物としては憂鬱になります。野垂れ死ぬか、ガス室か…。
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Refered by Nikkeinews 20080928 日曜書評 近代以降、雇用をはじめとする経済社会の変容に伴う「貧困の意味合い」をたどる言説史。 英国の工業化に生まれた労働倫理は、悲惨な救貧院を置くことで、「働かなければああなる」と道徳的意義を強調した。・・・だが、...
Refered by Nikkeinews 20080928 日曜書評 近代以降、雇用をはじめとする経済社会の変容に伴う「貧困の意味合い」をたどる言説史。 英国の工業化に生まれた労働倫理は、悲惨な救貧院を置くことで、「働かなければああなる」と道徳的意義を強調した。・・・だが、消費社会において労働観は審美的なものとなる。やりがいのある仕事をそれ以外の仕事が分別され、自ら仕事を選択できないものは「欠陥のある消費者」として社会から疎外される。 加えてグローバル化だ。福祉国家に労働力をプールするコストを誰も担いたがらない。失職の意味は、失業から「余剰」に替わる。余剰となった貧困者の行先はどこか? --- 労働倫理とは何か?それは一つの戒律であり、二つの明示的な前提と、二つの暗黙的な信念から構成されている。 ?明示的な前提1:幸福に暮らすために必要なものを得るためには、賃金を受け取るに値すると他の人からみなされることを行う必要がある 労働倫理は、一石二鳥だ。新興産業の労働力不足を解消する一方で、ポスト伝統社会が直面しなければならなかったもっとも苛立たしい阻害要因の一つである、「環境変化に適応できず、自分の生計を立てられない人々を厄介払いする」ことを正当化することだ。
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