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隗より始めよ の商品レビュー

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2016/06/17

町工場のオヤジにすぎなかったホンダがなぜ世界的企業に発展したか、ホンダ第一号の非縁故入社社員にして、本田宗一郎に引退を提言した元副社長が回想する。著者は戦後の混乱で苦汁を舐めていた、かつては陸軍将校として日本軍の航空研究所にいた元エリート。組織というものがどのようなものか知ってい...

町工場のオヤジにすぎなかったホンダがなぜ世界的企業に発展したか、ホンダ第一号の非縁故入社社員にして、本田宗一郎に引退を提言した元副社長が回想する。著者は戦後の混乱で苦汁を舐めていた、かつては陸軍将校として日本軍の航空研究所にいた元エリート。組織というものがどのようなものか知っていたために、ワンマン経営者の発想を体系化が可能であったと思える。優秀な会社員の視点によって本田と藤沢の天才性を一般化されていることが興味深い。 感受性に二つの定義があることを指摘している。「1.外界の印象を受け入れる能力、感動 2.深くものに感じて心を動かす」 この両者のバランスを保つのに鍵となる概念が「隗より始めよ」すなわち言動一致であるとする内容が繰り返される。自分にはない異質な発想、時には好ましくはないものを評価すること、それを可能にするのは自分自身が間違いを犯したら即座に謝罪する誠実さ、自分に誠実であれば他者への批判も誠実となるのだという。謝罪すること、正しく叱られることについては、ワンマン社長とうまくやりあうコツが詰まっているように読めた。極めて感情的にどなり散らすが理路整然としていること、自分なら1時間でできることでもあえて組織的に解決させること、そうしてゼロベースで自分の工夫でレベルの高い物事を達成できたことが尊敬に繋がっていくということ(反面教師として宗一郎のマネをした管理職のダメぶりも平易に説明する)。 この著作は広報の教科書として読むことができる。精神性の根幹を幅広い具体例とともに実証しているのに加え、例えば大きな約束は守れなくても、規模が大きいゆえに様々な障害があることに理解者がいるものだが、小さな約束は人格のアラが目立つということ。そのことから飲食店のツケは原料費の手形期限を一か月遅らせてでも清算する必要を説くまでに触れる。そうした蓄積がなければ銀行や省庁とのギリギリの交渉で命を落とすというのも説得力がある。 ホンダの豪快な話としては15周年祭に昭和27年時点で1億円の予算で京都の街の二日間貸切ったことがおもしろかった。金券として支払い用紙を会社が支給して好きなだけ飲み食いさせ、しかも夜通し市内循環バスを走らせてハシゴし放題のシステム。翌日午前にバレーボール大会の決勝をして、午後に式典をしておわりというもの。ゴミをすべて片づけて帰ったから京都市長は感心したとか、残った26万円で実行委員が池袋芸者で慰労会をして予算内で収めたとか、遊びに全力を尽くす息遣いが伝わる。 事業の体系化に当たっては糸川英夫のBゾーン理論が安全運転普及事業が顧客関係者の購買意欲を高めると欠陥車騒動(宗一郎退陣の間接的きっかけ)の折に採用され、緑化事業は黒川紀章の中間領域理論をベースに宮脇昭の植物生態学理論が「生態系と企業経営は同じだ」とふるさとの森づくりに発展、管理職の業務最適化にはKT法を飯久保博嗣に紹介されて実践したとされる。

Posted byブクログ

2014/05/27

ホンダについて知りたくて読書。 ホンダのすごいところは経営陣の退く年齢が若いこと。その話が最後の「本田さん、藤沢さんを見習って」に書かれている。そして、その前の6章の「酒に呑まれるな」と「老害を戒めよ」は謙虚さや素直さ、相手主義にも関わる話なので自分自身への戒めともなる。 本...

ホンダについて知りたくて読書。 ホンダのすごいところは経営陣の退く年齢が若いこと。その話が最後の「本田さん、藤沢さんを見習って」に書かれている。そして、その前の6章の「酒に呑まれるな」と「老害を戒めよ」は謙虚さや素直さ、相手主義にも関わる話なので自分自身への戒めともなる。 本氣で叱ってくれる人がいるうちが華だなと思った。 読書時間:約1時間 本書はバンコクのブックオブワールドで購入しています。

Posted byブクログ

2011/06/18

多分、実家の本棚にあるはず。 もう20年以上前に読んだ本で、絶版になっていると思うが、 最後の数行が印象的だった!

Posted byブクログ