白磁の人 の商品レビュー
「白磁の人」というタイトルに魅かれて読みました。主人公の人柄に、文章までも、白磁のように静かで温かでした。これを読み終えた後に、朝鮮白磁を美術館で見ましたが、温かい気持ちになりました。
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大正から昭和初期、朝鮮(現在は韓国)で兄と共に、李朝白磁の美を見出し、保護した人。 と簡単に言うけれど、もともと現地でその器は生活用品であり、美は見出されておらず、古道具屋で二束三文で売られていたという。 それを仕事(林業の技師)の合間に探しては買い集め、柳宗悦の「民芸」運動に...
大正から昭和初期、朝鮮(現在は韓国)で兄と共に、李朝白磁の美を見出し、保護した人。 と簡単に言うけれど、もともと現地でその器は生活用品であり、美は見出されておらず、古道具屋で二束三文で売られていたという。 それを仕事(林業の技師)の合間に探しては買い集め、柳宗悦の「民芸」運動に強い影響を与えた。 それだけでも評伝を書くに値するだろうが、この本の中心は彼の思想であり、態度であり、人となり。 エピソードはたくさんあるが、「本来の名前で呼ばれるべきだ」という思想から、生活用具の、失われかけていた名前を収集して回るくだりは、愛情に根ざした信念の為せる技だ。 そして彼を愛した人がこうして伝えたから、私はいま彼と出会うことができたのだ。
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まさかの映画化にびっくりしてます。6月9日公開! 日韓併合で日本が韓国支配を強めていた時代に、韓国の山野に緑を取り戻すために生涯をささげ、韓国人に愛された日本人・浅野巧の話です。 白磁とは朝鮮の磁器のことです。 当時の朝鮮では青磁だけが価値があるもので、白磁はつまらな...
まさかの映画化にびっくりしてます。6月9日公開! 日韓併合で日本が韓国支配を強めていた時代に、韓国の山野に緑を取り戻すために生涯をささげ、韓国人に愛された日本人・浅野巧の話です。 白磁とは朝鮮の磁器のことです。 当時の朝鮮では青磁だけが価値があるもので、白磁はつまらないものとされていました。しかし彼は白磁の『白』に純粋さと無垢の美しさを見出し、研究のかたわらに趣味で白磁を集めはじめました。 タイトルの『白磁の人』はその白磁の無垢の美と、主人公の清らかさを重ね合わせたものです。残念ながら若くして死んでしまうのですが、野辺送りの場面では、大勢の韓国の方々に囲まれて荼毘に付されます。それだけ慕われたのにはそれだけ韓国を愛し、韓国の方々を愛した人生があったからですが、その描写には涙を誘われました。 いつまで経っても心の清らかさを失わない人はいます。 大人になるにつれて純粋さを失ってしまう人と、そうでない人がいるのは一体なぜなのでしょう… すぐには答えが見つかりません。
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日本による朝鮮植民地化という時代にあっても人間としての誠実さを失わない優しい人がいる 早い死が惜しまれる
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