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高校時代 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2021/03/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1978年4月から1979年3月まで、旺文社の大学受験雑誌『蛍雪時代』に連載された三田誠広氏の自伝的小説。 三田氏自身を投影させた真(マコト)が、1964年に高校入学するところから、翌年の秋の運動会に高校を辞めるところまでが描かれています。 安保闘争が盛り上がり始める時代を描いているので、中盤過ぎくらいまでは、熱い内容になっています。 真が、初めてのデモ参加で、自分の無力さを感じてからの終盤は、内省的な内容になります。 この熱さも暗さも、両方とも自分の好みで、最初から最後まで興味深く読みました。 それにしても、『蛍雪時代』は高校三年生が読者であるはずなのに、主人公が高校三年生ではない、いやそもそも、読者が受験生なのに主人公がドロップアウト。かなり挑戦的な内容ですね。 しかし、ベルトコンベアに乗せられたような人生を始める前に、ちゃんと自分のことを考えなさい、という三田氏からのメッセージであれば、逆に受験生が読むに相応しい内容だと言えます。

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2019/06/26

真はO高校へ入学した。大阪でも一、二を争う名門校だ。嬉しい筈なのに、真の心は妙に重苦しかった。自分は何をしたいんだろう。真の心は揺れ動いていた…。多感な高校時代の恋と友情を描く青春長編。

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2017/08/16

 記憶というものは、消えていくのではなく、  心の奥底にしまい込んでいるものなのかもしれない。  ふとしたことが鍵となり、しまい込んでいた箱が開けられ、記憶が蘇る。    折りたたんだ皺くちゃの紙を広げながら、  色あせた記憶の中に時折鮮やかに浮かび上がる懐かしい記憶。  すっか...

 記憶というものは、消えていくのではなく、  心の奥底にしまい込んでいるものなのかもしれない。  ふとしたことが鍵となり、しまい込んでいた箱が開けられ、記憶が蘇る。    折りたたんだ皺くちゃの紙を広げながら、  色あせた記憶の中に時折鮮やかに浮かび上がる懐かしい記憶。  すっかり忘れていたはずのあんな光景、あんな気持ち。  この作者の本を確か持っていたはず、と実家の本棚から取り出したのはごく薄い一冊。  表紙の絵には記憶があるが、その内容はまたしてもまったく覚えがない。  たくさんの本を乱読していた数十年前。そんな頃の一冊。 舞台となっているのは、ちょうど自分が生まれた頃。 学生運動の話題が別世界の印象を与える。 が、読み進むうちに、何かがほぐれていく。 進学のための勉強。熱心だったとは言えない部活動。 若さが抱える不満と憧れ。 自分は何がしたいのか、何になれるのか。 異なる時代の若者の悩みに、自分の過去を重ね合わせる。 あの頃の自分がどんな思いを持ってこの作品を読み終えたのかはわからない。 続けてこの作者の作品を読んでいない所を思えば、不満だったのかもしれない。 物語としての期待と違ったのか。主人公の中途半端な決断を肯定できなかったのか。 今、記憶の箱を開ける鍵として、再び出会ったこの作者の作品を、 今度はもう少し読んでみようと思う。 「蛍雪時代」のずっしりとした重みを思い出した。  

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2009/10/04

進学校に進んで、社会に対して疑問を持ち始めた主人公は、疑問の根源的な問題は自分の進むべき道であることに気付く。っていう高校生らしからぬ姿が描かれた私小説。

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