雑君赤保プ の商品レビュー
前巻『青』同様あいかわらず無数の短編(たいてい2ページ)がこんな分厚い本にまとめられてて、いくら面白かろうが胸焼けするっつーの! 食いきれないっつーの! 面白いけどさ! まあ実際これを普通の厚さにしようとさらに2分冊、3分冊してしまうとこの本の「何でもあり感」が減ってしまうのでよ...
前巻『青』同様あいかわらず無数の短編(たいてい2ページ)がこんな分厚い本にまとめられてて、いくら面白かろうが胸焼けするっつーの! 食いきれないっつーの! 面白いけどさ! まあ実際これを普通の厚さにしようとさらに2分冊、3分冊してしまうとこの本の「何でもあり感」が減ってしまうのでよくないのだろうけど。 『キャプテン・ラヴ』ファンとしてはあの最高に熱いシナリオが雑君保プ先生にも高く評価されててなんか嬉しい。いったいどういう経緯で仮にもギャルゲーのキャラデザなんてやる事になったのかずっと謎だったが、きちんと説明がついていて色々腑に落ちた。 漫画版も力が入っていたり力が抜けすぎていたり(せめて主要キャラクターの1人くらいメインで出そうよ……)、ファンには嬉しい内容。ゲームでコンプできなかった『4コマ劇場』が見れたのも嬉しいかぎり。 必見と思うのは同人誌が初出のコント漫画『翼をください。飛ばないけど。』。これは凄い。ドタバタ喜劇の中で張り巡らされた伏線がひとつに収束していく様はきわめて優れた海外ハチャメチャSFのよう。 シュールでメチャクチャ、全編シネスココマ割り(手塚治虫がよくやるアレです)でありながら漫画でしか表現できない技巧あり、かと思えば映像的なおどろきにも満ち、ときに詩的ですらある。作者のひとつの到達点(あるいは極北)として高く評価されるべきじゃないだろうか。
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