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ジュテーム~わたしはけもの~ の商品レビュー

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自立と孤立の狭間で生きる人々の物語

違和感を抱くほどのビッグネームによる原作付き作品だが、メディアミックスの一環のようである。都会の軽い閉塞感の中で孤立しながらも、自分に正直であろうとする懸命な人間模様を描きながら、自分がどう生きていけばいいのかがまだよく分からずに模索しているヒロインという、実に原作者らしいテーマ...

違和感を抱くほどのビッグネームによる原作付き作品だが、メディアミックスの一環のようである。都会の軽い閉塞感の中で孤立しながらも、自分に正直であろうとする懸命な人間模様を描きながら、自分がどう生きていけばいいのかがまだよく分からずに模索しているヒロインという、実に原作者らしいテーマである。ただ、このテーマを描きだすことに重点が置かれた作品なため、コールガールという夜の顔でのシーンが多いにも関わらず読み手が期待するような場面は思いの外少ない。元カレの復讐じみた襲撃も、約束を破って複数人プレイに持ち込もうと企む客も、そのシチュエーションこそ抜群だし、ヒロインもギリギリなところまで追い込まれたりもするのだが、すんでのところで難を逃れる展開になる。これらの「事件」はヒロインの生き方を方向付けるための糧という位置付けであり、最終的にはヒロインと全く好対照な生き方をしていながら同じような境遇に陥った敏腕代議士との細やかな心の交流を通して、生き方のヒントを見つける結末に繋がる物語がメインの作品なのであろう。だが、その結末がやや曖昧というか少々弱い気もする。

DSK