タンゴの男 の商品レビュー

岡田屋鉄蔵(著者)

2013/01/14

タンゴの男と呼ばれながら、本当の情熱を知らぬままに踊り続けてきたダンサー・アンジー。
ラテン人の母を持ちながら、祖父に引き取られ、今は日本人として暮らすヒロ。
アンジーは出逢いのひと目から沸き立つような欲望をヒロに感じる。男にはまるで興味のないヒロだったが、懐かしい故郷を感じさせるアンジーの包容力に、戸惑いながらも、いつしか心と体を開いてゆく・・・。
男が男を愛する時を情熱のタンゴに乗せて描いた、著者初めての作品集。描き下ろしも収録。
出版社より

2012/11/18

男性的な画を描かれる方だと思う。少女漫画から延長したようなBLとは一線を画している骨太な絵が印象的。
もはやBLには収まりきらない活躍をされているのは「千」シリーズで周知の事実。この作品が初めての商業誌とは思えないほどの肉体の美しさ、存在感に圧倒される。
アンジーがヒロと出会うことで人を愛する情熱を知り本当のタンゴを踊れるようになる様子が、セックスやタンゴシーンふんだんに描かれているが、その描写が素晴らしい！肉体がストーリーを持つというのは、こういう事ではないだろうか。普段可愛い絵柄の生ぬるいラブシーンしか見た事のない方は面食らうかもしれませんが(^_^;)意外とストーリーは胸きゅんだったりするので読みやすいです。
そしてアンジーがヒロの為に靴をオーダーするエピソードはよかったな。好きな人の為に靴を選ぶって素敵な事だと思う。

2012/10/21

今よりももっと肉々しい…！
落ち着いた今くらいの作画が好きです。

あと肉々しい男の人を描かれる方の女性はやはり可愛くないですね…

2012/04/13

岡田屋さんの作品で一番好きかもしれない。
無性にタンゴが観たくなった。

【情熱】が凝縮された一冊。
照らいや偽りのない、本能と欲望のままに踊り生きる男の話。
ＢＬとかゲイとかの括りでなく、アンジーの深い愛情と慈しみを、ヒロの孤独と渇望を感じられる。
乾いた砂に水が染み込むように、胸に優しさと温もりが伝わって情熱が灯った。
本当に素晴らしい作品！

2011/11/13

ガチ描写が結構どぎついという評判を聞いていたが、意外とそうでもなかったので安心した。R18にしてはおとなしめな方。

2011/11/03

男の色気とフェロモンが溢れるお話ですごく好み。与える一方だったアンジーの乾いた心が初めて、欲しいと渇望した相手・ヒロ。孤独な魂が共鳴し合う様な表現が良かった。辛い過去を語るヒロをアンジーが「頑張ったね」と抱きしめるシーンに感動。読み進むほどに冒頭のノニーノの語りが蘇る。どちらか一方ではなくお互いに与え合うことで孤独が癒されていくのだと。挿入だけがHではない表現もリアルゲイの印象で良かった。ベネ、ぺぺといった脇役の存在もいい。情熱的なダンスシーンの描写も秀逸で、物語も絵も満足の1冊！
華籐えれなさんの「サウダージ」を読んで以来、男同士で踊るアルゼンチンタンゴがツボになったので、この本でもアンジーとヒロが踊るシーンが見たかった！アルゼンチンタンゴは、移民の男達が貧しさのフラストレーションを発散する為に、男同士で酒場で踊り始めたという説があるのでまさしくBL向きなダンスだ！
アルゼンチンタンゴじゃなくても、男同士のアイスダンスBLとか、男二人が筋肉質な肉体を絡み合わせて情熱的に踊る作品があるなら読みたいとずっと切望しております♪

2011/08/15

マッチョすぎて少々読みにくい印象だったんだけれど、きちんと読むと本当に奥深くて素晴らしい作品。タンゴをここまで作品のモチーフとして上手く扱うのも面白い。漫画として、なかなか面白いビーエルだった。

2013/10/07

心の奥底の痛みを理解してくれるなら、それが同性でも異性でも、犬でも猫でも神様でも仏様でも、なんでも構わないんじゃないだろうか。＝ノーマルな恋愛、と縛りを自動的に作動させると、本当の相手とすれ違ってしまうのかもしれない。BLには、たまにだが、そう言う「相手が誰であっても構わない」それくらい孤独な魂」について描いてある時がある。だからBLを読むんだと思う。カバーにピンと来た人は買うべし!!後悔なし!!

2010/01/03

物凄く強く、優しいパワーをはらんだ作品。
攻も受もサブキャラクターの女性さえもマッチョで、セックスの描写も肉感的で激しい。
しかし、この作品の見どころは濃厚な性描写よりも繊細な心理描写にある。
淡々と進んでいくように見えるストーリーは、その実喜怒哀楽の全てを描き出す。
ダンス。食事。恋。それらを楽しむ彼らからは生きているにおいを感じ取ることができる。
どちらかと言えば泥臭さを感じる絵柄を好まない人もいるだろうが、
その泥臭さがこの作品のパワーをより強くしているように思う。
無名なレーベル（失礼！）から出ていることが非常に勿体無い名作。
絵柄などで食わず嫌いをせずに是非読んで欲しい一冊。

2009/12/17

骨太なBL漫画。
がっちりゲイで絵柄もごついのでBLではないような気がしますが、乙女チックではあります。でも、少女漫画の手法じゃない。
外国人さんの描き方やイメージが、バナナフィッシュの頃の吉田秋生さんっぽくて、ピチピチのシャツとかパンパンのジーンズとかがなつかしかったです。頬のこけ方とか、筋肉の筋感とか。

難点はデジタル処理臭いところ。
絵柄や全体の重さとあってないので、ヒューマンドラマのストーリーを追いながら、常にそっちに目が行って話に集中できませんでした。
完全アナログ人間なので、漫画のデジタル処理へは拒否反応があります。手描きかパソコンかわからない程度ならまったく問題ないんですが、見てわかる範囲だと気になってしょうがない…。