うふふ詩集 の商品レビュー
先だって谷川俊太郎先生の『詩の本』(9784087712995)を登録した際にブクログ からのおすすめに表示されてきたことで物は試しにと注文してみた本。 まず、谷川俊太郎先生とまどみちお先生の世代は全然違うということすら初めて知りました。浅学の私にとってはおふたりの世代差につい...
先だって谷川俊太郎先生の『詩の本』(9784087712995)を登録した際にブクログ からのおすすめに表示されてきたことで物は試しにと注文してみた本。 まず、谷川俊太郎先生とまどみちお先生の世代は全然違うということすら初めて知りました。浅学の私にとってはおふたりの世代差について気にした事も調べようとした事もこれまで無く、冒頭の詩〈照レチャウ〉を読んで初めて「満98さい」(p6)という書き出しに触れて’え!そうなんだ!’と認識した次第でございます。 率直な感想としては’なんと気ままで、なんて身軽なんだろう’ということ。たとえば〈水を飲む〉という一事をとってみても、ままならなくなってきた身体でもたついていたら普通は凹むところ「ムネふるえさせます」(p15)と感ぜられるハートが本当に素晴らしいと思う。 〈カ〉という作品では手に止まった蚊に対して「サンキュー ブーンくん」(p33)と朗らかに声をかけていながらも、続く〈なあ〉という作品では「あの1ぴきの カの おかあさんが なくなったんだとは… たたきっつぶすん じゃなかった なあ…」(p35)と蚊の母親(?)を潰したことについて嘆いている様子が窺える。元々、これらが連作だったのかは知らないが、考察するに、血を吸う蚊は産卵を控えたメスの蚊だけであるので、恐らくまど先生はある時に反射的に蚊を潰してしまったのだろう。その後に手に止まった蚊は血を吸わなかったので、ああ、コイツはあの時の蚊の息子か…と贖罪の意を込めて「サンキュー」と優しく送り出したのではないだろうか。知らないけども。いや、それだと順逆が違う気がするな。わからん。うふふ。 と、抜粋すればキリがないくらいに思わず『うふふ』と微笑みたくなるようなことばの数々。 何よりも、もし自分が98歳まで生きたとして、こんなふうに軽やかな気持ちで過ごせるものだろうか。 一方で、〈なあなあぶし〉という作品では語尾を柔らかく砕いて節を付けて嘯いているものの、世に蔓延る様々な問題や課題について心底から嘆いて無力に苛みつつも、読み手に「なあ」と同意を求めるかのような凄味すら感じた。 年をとるならこういうふうにありたいなあ。 1刷 2023.8.1
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98歳の世界って想像つかない。 ちょっと捻くれてて、明るい。 でもちょっとだけ、切ない気持ちになる。 最後の「フト」なんか、簡単に書いてあるけど、先立たれていくことのさみしさが感じられて切ない。 「傑作」って詩は、今時の読み取ることが困難な文学に対する批判みたい。 なんだけ...
98歳の世界って想像つかない。 ちょっと捻くれてて、明るい。 でもちょっとだけ、切ない気持ちになる。 最後の「フト」なんか、簡単に書いてあるけど、先立たれていくことのさみしさが感じられて切ない。 「傑作」って詩は、今時の読み取ることが困難な文学に対する批判みたい。 なんだけど、まどみちおさんの発想の柔軟さで笑っちゃう出来です。
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まど・みちおさんってまだ存命だったの!!!! ととっても失礼なことを思いつつ手にとったこの詩集。 100歳ですってよ、100歳!! 私にとっては教科書の中の人だと思ってました。 誰でも小学校の教科書の中で一度はこの方の詩を習っているはず。 詩といわれてぴんとこなくても白ヤギさん...
まど・みちおさんってまだ存命だったの!!!! ととっても失礼なことを思いつつ手にとったこの詩集。 100歳ですってよ、100歳!! 私にとっては教科書の中の人だと思ってました。 誰でも小学校の教科書の中で一度はこの方の詩を習っているはず。 詩といわれてぴんとこなくても白ヤギさんと黒ヤギさんの歌やぞうさん などの童謡の作詞と言われればわかるでしょう。 どことなくすっとぼけた感じの詩が多くて読むと心がほっこりしてしまう。 人懐こさや、子供のような明るさがいっぱい詰まった詩集だった。 100歳になってもいつも何か新しいものを発見しているような そしてそれを楽しんでいるような、感性というのか優しさというのか 私にはよく分からないけれどなぜだか幸せな気分にさせてくれる。 この世は… と フト思った 最後のサヨナラを いうべき相手だなあと が すぐ 笑いだしていた となりの あの世ンとこにいくのに チト 大げさやなあと うふふ けど… やなあ フ
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なんと100才になろうという詩人。 高齢ながらういういしい。 うならされる詩がいくつもあった。
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