ゴッホはなぜゴッホになったか の商品レビュー
ゴッホはなぜ伝説となったのか。 インテリ・フレンチらしい癖の強い筆致で読みにくいことこの上ない。 しかし内容は申し分なく面白い。 ゴッホという社会的構築物がいかにして作られ、膨張して一大巨大市場となったのか(批評家による「不遇」な生前というデフォルメ、償い・弁償としての落札価格の...
ゴッホはなぜ伝説となったのか。 インテリ・フレンチらしい癖の強い筆致で読みにくいことこの上ない。 しかし内容は申し分なく面白い。 ゴッホという社会的構築物がいかにして作られ、膨張して一大巨大市場となったのか(批評家による「不遇」な生前というデフォルメ、償い・弁償としての落札価格のインフレや展覧会による破格の動員数、殉教者としての列聖など)、ゴッホという現象がその後、画家の範例、一種のステレオタイプとなり、未完成の大器のモチーフとして音楽や詩の領域に一般化されて行ったかが描かれる。 我ながらコンパクトにまとめたものぞ。
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本書は美術書ではない。 作家に興味があるときは、本書のような資料がちょうどよい。 いろいろな文献のありかがわかったので、ゴッホについて調べたいことがあるのに役立つ。 感じたものを他人に伝える必要があるときに、文字を使う。 文字を使う時に、背景となる情報が役立つことがある。 ps. 絵画は、図録以外はいらないことがある。 ゴッホの絵を伝えたければ、図録だけでよいと思う。 大事なのは、ゴッホの絵から何を感じるかだ。 絵の解説はいらないこともある。 技法を教えてもらうときは解説をしたもらったことがある。
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