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煩悩の文法 の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2018/10/13

ムカデの足の一本をさも読者の興味を引くだろうとして文字通り上げ足を取って見せ意味もなく文庫のページまでご丁寧に提示した引用をもってしてもそもそも何の気付きも面白さも楽しさもないがそれでもあっという間に読了したのはもちろん話の運び方が上手かったからではなく情報量が少なく薄っぺらいた...

ムカデの足の一本をさも読者の興味を引くだろうとして文字通り上げ足を取って見せ意味もなく文庫のページまでご丁寧に提示した引用をもってしてもそもそも何の気付きも面白さも楽しさもないがそれでもあっという間に読了したのはもちろん話の運び方が上手かったからではなく情報量が少なく薄っぺらいためで思わせぶりなタイトルの付け方だけは上手くそこから期待した社会的な言及は終盤になって「自分の守備範囲ではない」などとあっけなくかわし気分が悪いまま紐を閉じたわけだがもしこんなのが言語学なるものの主流だというならば何のために言語を研究するのかがわからなくなるほどで直近に読んだ金川の言語学というものへの愛情からは程遠いと感じた

Posted byブクログ

2018/02/21

「自分の話を聞いてほしい」という形で現れる自己への執着。 本書では、それを「煩悩」と名付け、それが文法に影響を与えるさまを伝える。 ワクワク型の体験の中核にある「探索」、ヒリヒリ型の体験の中核にある「体感」。 いずれもその度合いが強ければ、語るに足る「体験」となる。 探索領域が...

「自分の話を聞いてほしい」という形で現れる自己への執着。 本書では、それを「煩悩」と名付け、それが文法に影響を与えるさまを伝える。 ワクワク型の体験の中核にある「探索」、ヒリヒリ型の体験の中核にある「体感」。 いずれもその度合いが強ければ、語るに足る「体験」となる。 探索領域が未知なら、探索課題があれば、体感度が高ければ、などの条件により、同じ語の使用が自然になったり、不自然に感じられたりする。 こういったことを、いろいろな局面から解き明かしていく。 例えば―。 「あの本には時々間違いがある。」のような、空間的な分布を、頻度語「時々」で表せる。 でも、「四つ葉タクシーも三か月に一度くらいいますよ。」とは言えない。 「三か月に一度」という数値化された頻度語は体感度が低いためであるという。 「た」の分析が面白かった。 想起や反実仮想の意味も、根幹はやはり過去の意味に統合できるらしい。 ただ、それには出来事の時間が過去という従来の考え方から、情報のアクセスポイント(話し手が情報にアクセスするための時間軸上の拠り所)という考え方を導入し、アクセスポイントが過去なのだ、と考えるそうだ。 私にとっては、目からうろこの落ちる思いだった。 これぞまさしく、ワクワク型の体験で、今の私自身も、煩悩に突き動かされいている、ということか(笑) 川口澄子さんの絵もかわいらしいだけでなく、図解としての役割をしっかり果たしている。

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2013/06/06

「体験の文法」がある。 例文がいちいち面白いな。臨場感あふれている。 最初は用例が少ないとか思ったけど、それでなければ分からないものもあるし、語用論って意外と大事なのかも。

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2012/10/01

体験/知識と、文法事項の適不適の関係。 適文不適文の例が多く、書籍からの引用も多いけれど、 例文場面の説明が変に長くて読みづらかった。

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2010/09/12

1.モノの存在場所を表すことばには、「に」をつける。 出来事の存在場所を表す言葉には「で」をつける。 2.状態は出来事でない。状態は体験者の人生の一部であり、したがって出来事である。 日本語は難しいな、外国人には理解できないだろうな。

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2014/10/27

[ 内容 ] 「文法的に問題だ」というのは、なにが問題なのだろうか。 私たちは日常それほど理知的にことばを扱っているわけではない。 立派そうな文法が、私たちの合理的でないおしゃべりから出来上がっていることは案外多い。 本書では、そんな例として「体験の文法」を取り上げる。 人は誰し...

[ 内容 ] 「文法的に問題だ」というのは、なにが問題なのだろうか。 私たちは日常それほど理知的にことばを扱っているわけではない。 立派そうな文法が、私たちの合理的でないおしゃべりから出来上がっていることは案外多い。 本書では、そんな例として「体験の文法」を取り上げる。 人は誰しも、体験を語りたがるという煩悩を抱えている。 体験の文法は、ときに知識の文法をやすやすと超える。 体験が「状態」をあざやかに「デキゴト」化する不思議なデキゴトを体験してください。 [ 目次 ] 第1章 知識の文法と体験の文法 第2章 ワクワク型の体験(ワクワク型の体験とは? 「で」 頻度語 「ばかり」 「たら」 「た」) 第3章 ヒリヒリ型の体験(ヒリヒリ型の体験とは? 頻度語 「ばかり」 「たら」 「た」) 第4章 環境とのインタラクション [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2009/10/04

探索を中核とするワクワク型の体験、体感を中核とするヒリヒリ型の体験、というユニークな視点から、 「状態がデキゴトにならない」知識の文法とは異なり、「状態がデキゴトにもなる」体験の文法の存在をあぶり出す。 この後者を「「下ざまの人」の体験談への飽くなき執念」という意味で形容したのが...

探索を中核とするワクワク型の体験、体感を中核とするヒリヒリ型の体験、というユニークな視点から、 「状態がデキゴトにならない」知識の文法とは異なり、「状態がデキゴトにもなる」体験の文法の存在をあぶり出す。 この後者を「「下ざまの人」の体験談への飽くなき執念」という意味で形容したのが、煩悩の文法だと著者は主張している。 ……と、こんなまとめを書いてもさっぱりわかりませんね。しかし、あとは中身を読んでもらうしかない。 ひとつだけ例示。条件文をつくる助詞「たり」の用法について。 たとえば青のリトマス試験紙に酸性の溶液をかけたら、 一分もしたら赤だよ。 一分もしたら真っ赤だよ。  後者に比べて前者は自然ではない。なぜか? 一応これは、「赤」=名詞、「真っ赤」=形容名詞、と説明できる。 (「赤のシャツ」は自然だが「真っ赤のシャツ」は自然ではないし、 逆に「赤なシャツ」は不自然だが「真っ赤なシャツ」はそうではない) では、次のような場合はどうか、と著者は述べる。 以下、文章のおかしさも理解していただくためにあえて長文引用。 ≪こうなったら、リトマス試験紙にたよらず、新型の試験紙を用いる必要がある。溶液に反応すると、黄色に変色する試験紙である。  なぜ黄色に変色する試験紙が必要なのか?  それは、「黄色」と「真っ黄色」で、品詞が基本的に変わらないからである。  「黄色のシャツ」と「黄色なシャツ」なら、「黄色のシャツ」の方がいい。そして「真っ黄色のシャツ」と「真っ黄色なシャツ」でも、やはり「真っ黄色のシャツ」の方がいい。つまり「黄色」も「真っ黄色」も名詞である。  そうこう言っているうちに試験紙が開発できたではないか。  さっそく溶液に漬けてみよう。[後略]≫ で、実際に比べてみると、 一分もしたら黄色だよ。 一分もしたら真っ黄色だよ。 「赤」同様、やはり前者は不自然な感じがする。 この考察をもって著者は、「たら」の文の自然さを左右するのは、 品詞ではなく体感度(=「真」の有無)なのだ、と結論づけるわけである。 なるほどでしょう? といった内容もさることながら、例文や地の文がいちいち笑える。 章扉や図に用いられるポップな挿絵(川口澄子氏)もよいので、 前著『ささやく恋人、りきむレポーター』(岩波書店)とあわせて、ぜひご一読を。

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2009/10/04

 「4色ボールペンなら北京でありましたよ」が言えるのに、「庭で木がありましたよ」が不自然なのはなぜか。ハイキングでサルに遭遇して「サルがいたよ」と言えるのに、電車で前にいる人の顔のほくろを見つけて「ほくろがあった!」というのが不自然なのはなぜか。こんななんでもない文でも言われてみ...

 「4色ボールペンなら北京でありましたよ」が言えるのに、「庭で木がありましたよ」が不自然なのはなぜか。ハイキングでサルに遭遇して「サルがいたよ」と言えるのに、電車で前にいる人の顔のほくろを見つけて「ほくろがあった!」というのが不自然なのはなぜか。こんななんでもない文でも言われてみればなんでだろう、と考えてしまうそんな用例を数多く紹介し、それらの背後にはどんな文法のシステムがあるのか、人間の「煩悩」という視点から解き明かした1冊。  本当に言語感覚の鋭い人じゃないとこんな用例、思いつかないし、凡人とは違うなあ、と思った。と同時に、誰かにこの話をしたくなるような知的興奮を素直に味わった。この著者による他の本も読んでみたいと思った。(2008/08/08)

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