ハリを知らなくてもできるツボ注射治療 の商品レビュー
著者は渡邊裕医師(-2023)です。 渡邊氏は昭和26年に東大を卒業し、外科医としてキャリアを重ねました。 その間に縁あって東洋医学を学び、故・間中喜雄博士と谷美智士博士(元東方医学会会長)らの手ほどきを受けて鍼灸の腕を磨きました。 様々な病院や学会での重職を歴任し、晩年は山梨で...
著者は渡邊裕医師(-2023)です。 渡邊氏は昭和26年に東大を卒業し、外科医としてキャリアを重ねました。 その間に縁あって東洋医学を学び、故・間中喜雄博士と谷美智士博士(元東方医学会会長)らの手ほどきを受けて鍼灸の腕を磨きました。 様々な病院や学会での重職を歴任し、晩年は山梨で「広瀬医院」を開業して診療にあたっていました。 東洋医学を学んだことのない医師にとっては、陰陽五行で説明されると困惑してしまいます。 そのため著者は医師が慣れ親しんだ「注射」で簡単に効果を上げられる「ツボ注射療法」を考案しました。 本書はこれをまとめたものです。 内容は次のようなものです。 *前半 12経脈・任脈・督脈の流注と経穴の解説 鍼治療について ツボ注射について *後半 各部位ごとの鎮痛 月経困難症 術後 気管支喘息 皮膚疾患 著者の治療手順をまとめると次のようになります。 通常の西洋医学で診断し、鍼灸不適応疾患を除外。 症状と部位から使用する経脈を選択する。 要穴などから経穴を選ぶ。 使用する溶液を選んで注射する。 本書はこのように著者が構築した「ツボ注射療法」についてまとめていました。 東洋医学の知識がない医師向けに作られているのでわかりやすく、また後の「鍼治療」への入り口となる好著だと思いました。
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