「戦旗」「ナップ」作家集(7) の商品レビュー
1931〜33年頃のプロレタリア文学。 体制側とマルクス主義陣営との攻防が具体的に描写されている。 正直、驚きを禁じ得ないのが、マルクス主義陣営の活動本位で思想のなきことである。 組合活動や党活動がまるで新興宗教かなにかのように、ただ参加すれば人民に仕合わせが舞い降りて来るかのよ...
1931〜33年頃のプロレタリア文学。 体制側とマルクス主義陣営との攻防が具体的に描写されている。 正直、驚きを禁じ得ないのが、マルクス主義陣営の活動本位で思想のなきことである。 組合活動や党活動がまるで新興宗教かなにかのように、ただ参加すれば人民に仕合わせが舞い降りて来るかのように描かれている。当時は真面目に書かれていたのだろう、今日の我々が読むと皮肉にすら感じられる。 ただ、そこに情熱のあったこともまた確かである。方法論を捏ね回して解決を先延ばしにするのではなく、運動し続けることでいつか変えてみせるという情熱がある。ここから学ぶところはあるだろう。 また、1920年代のどちらかといえばしっかりとした論戦の上で成り立っていたマルクシズムからどのように変化したのかも考えてみたいところである。
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