鬼灯 の商品レビュー
500ページ超で内容も濃く時間かかりました 読み応えもありました 犯人は読者はわかっているけど 警察と主人公はわからず、追いかける展開 そして徐々に犯人を追い詰めて・・・ この主人公の作品はこれが三作目のようで あとの作品も読みたいです
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すごく読むのに時間がかかった。何故か。 内容は、猟奇的少女誘拐殺人犯とそれを追う記者、視点が各章ごとに変わるし、捜査も着々と進むし話のテンポも悪くないと思う。普通に読んでれば引き込まれる文章なんだけど、それでも読むのにすごい時間がかかった。何故か、一度本を閉じると次に「読みたい!...
すごく読むのに時間がかかった。何故か。 内容は、猟奇的少女誘拐殺人犯とそれを追う記者、視点が各章ごとに変わるし、捜査も着々と進むし話のテンポも悪くないと思う。普通に読んでれば引き込まれる文章なんだけど、それでも読むのにすごい時間がかかった。何故か、一度本を閉じると次に「読みたい!」と思えないのだな、これが。 後書きに、「叙事のみを淡々と書き連ねると、そこへ叙情が現れる」って書いてあって、もしやと思った。内容は理解するし、情景も思い浮かぶけど、登場人物の誰とも心をすり合わせることができず、ひいては淡々と述べられる事実を受け取る側のみに徹してしまって、次に何が起こるのか心を掻き立てられるものがないのかも。 って、自分で書いてて何が言いたいのやら。要するに、あれよ。ニュース番組を見る感じ。見ている間は「わっ!ひどい。」って思う。事件の内容も捜査状況も理解できてる、報道される度に捜査の進行状況を確認する。でも番組が終わった瞬間忘れちゃうし、自分でわざわざ突っ込んで調べようとも思わない。そんな感じ。 それよりも、読んでる最中に思ったのが、まじでテーマ多すぎ。 とりあえず、女児誘拐殺人事件ミステリー、犯人の精神的トラウマと葛藤、他人に認知されないという社会的孤独、捜査と記者の駆け引き、事実を述べすべての事件を単一化して報道してしまう新聞記者の葛藤、IT化の進む時代とベテラン記者VS若手記者の間の溝、犯人への挑戦状、大事件なほど心が踊る新聞記者のモラルに対する疑問などなど、多すぎて、読んでるうちに何に集中して読めばいいのかわからなくなってきた。というかむしろ、あみだくじを引くような、あまりにもテーマが多すぎて、どれに、ひいては誰に集中するのが正しいのか、どれがメインテーマなのか、裏切られるのが嫌なので全テーマフォーカスしすぎず無視しすぎず、というスタンスで読んじゃって、結局どれにも集中できなかった。 にしても笑えたのが、女児の首の骨をへし折って殺害、右手を切断、死体遺棄はダンボールに詰めてっていうおっぞましい描写が続くのに、一番「キモ!痛っ!」ってきたのが、犯人が爪が剥がれる程の指の怪我を負うシーンとは。実際に起こりうる痛みにしか反応できないとか、想像力が乏しいのだよ、自分は。 11/12/2012
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敏腕記者が幼女連続殺人鬼を追う。鳴海章流サイコサスペンス。幼女を誘拐し殺害、手首を切り落とし埋めるという事件の内容こそ猟奇的ですが、たとえば『羊たちの沈黙』のような派手さや血生臭さはなく、殺人鬼「鬼灯」にしても、一般人には理解不能のモンスターではなく血の通った人間として描かれてい...
敏腕記者が幼女連続殺人鬼を追う。鳴海章流サイコサスペンス。幼女を誘拐し殺害、手首を切り落とし埋めるという事件の内容こそ猟奇的ですが、たとえば『羊たちの沈黙』のような派手さや血生臭さはなく、殺人鬼「鬼灯」にしても、一般人には理解不能のモンスターではなく血の通った人間として描かれています。 ただ、個人的な感想としては、少し地味すぎたかなと。殺人鬼の心理を丹念に描くというので期待していたのですが、殺人鬼の心理もそこまで深くは掘り下げられておらず、これはむしろ殺人鬼ではなく、「鬼灯」という個人、――孤独な現代人の心理を腑分けするにとどまっている気がしました。前述のとおり、サイコもの特有のグロさも希薄ですし、いわば内的にも外的にも狂気成分が足りないんですね。果たしてこの題材をチョイスした意味があるのかと。 しかしまあ、サイコを期待すると肩透かしを食らうかもしれませんが、サイコものというより現代人の孤独を描くサスペンスくらいに考えて読めば十分楽しめるはずです。
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