グリムドイツ伝説集(上) の商品レビュー
伝説は史的要素がまさり童話は詩的要素が勝るのだとか。上巻は民衆と精霊や家霊、鬼火が活躍。山の中に眠る財宝の話が多いのはドイツに鉱山が多いからだろうかとかドイツの悪魔は愛敬があるな(よく失敗するし懐柔される)、ゲーテのメフィストフェレスはこういう悪魔達の中から生まれてきたんだろうな...
伝説は史的要素がまさり童話は詩的要素が勝るのだとか。上巻は民衆と精霊や家霊、鬼火が活躍。山の中に眠る財宝の話が多いのはドイツに鉱山が多いからだろうかとかドイツの悪魔は愛敬があるな(よく失敗するし懐柔される)、ゲーテのメフィストフェレスはこういう悪魔達の中から生まれてきたんだろうななどと勝手に想像しつつ楽しく読了。読みやすいのだが「よろず開きの根」の探し方やら、将来の夫の顔を確かめる方法など役に立たない情報を覚えようとして進まない。
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誰もがご存じのグリム「童話集」に対して、こちらは「伝説集」最初の邦訳。上巻だけで363の伝説を所収。グリム兄弟の手になる序文にも、童話に対して「伝説はずしりとした料理であり、より真剣に受け取られより深く思索されることを要求する」とあります。出典や索引、地図も充実しています。この上...
誰もがご存じのグリム「童話集」に対して、こちらは「伝説集」最初の邦訳。上巻だけで363の伝説を所収。グリム兄弟の手になる序文にも、童話に対して「伝説はずしりとした料理であり、より真剣に受け取られより深く思索されることを要求する」とあります。出典や索引、地図も充実しています。この上巻には、主として土地にまつわる伝説が収められています。妖精や侏儒、幽霊、悪魔、鬼火、秘宝……。私は、童話集よりむしろ伝説集のほうが好きなんです。恣意や装飾や潤色を削り落とした伝説の骨格、そこにグリムの筆致を見ることのほうが、よほど面白い、と思ってしまいます。ちょっと天の邪鬼にすぎますか?
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