1,800円以上の注文で送料無料

の商品レビュー

3.4

14件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/04/22

男尊女卑の時代の、横暴で自分勝手な男性が、とてもいや~な感じなのですが、なんとエネルギッシュな人なのでしょうか。 他の小説でも、会社を興したり、植物学の礎になったりと、その道に一心不乱に突っ走る、そんなエネルギーが時代の中に渦巻いていたのかと思えるほどです。 帯を作るというよりも...

男尊女卑の時代の、横暴で自分勝手な男性が、とてもいや~な感じなのですが、なんとエネルギッシュな人なのでしょうか。 他の小説でも、会社を興したり、植物学の礎になったりと、その道に一心不乱に突っ走る、そんなエネルギーが時代の中に渦巻いていたのかと思えるほどです。 帯を作るというよりも、後半は画家か芸術家かみたいな印象を受けました。 自分の情熱を注ぎ込んで、命を燃やす一生を送ることが出来るって、幸せな事かもしれないと思いました。

Posted byブクログ

2019/06/22

叔母に薦められて読んでいるが、読めない漢字が出てきて面食らう。調べようと入力すると、文字変換できず。面食らう。わからないところには付箋を付けつつ読み進める。

Posted byブクログ

2015/11/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

さすが宮尾登美子。どんどん読めました。が、仙が報われなくてかわいそう。幸せな人が少なくて全体に暗い。まあ現実だってそうなんだけど。私にとって読書は娯楽だからどうせなら明るい内容が良い。これからはハッピーエンドのものだけ読むか。

Posted byブクログ

2015/02/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

幼い頃 家にはたくさんの縫い子さんが居た そして当時まだ高麗橋にあった三越などから届けられた反物が積み重ねてあり 今は亡い母や叔母達が ある時すごいねぇと言いつつ取り囲んでいた龍村の帯地を今も覚えている。紫を中心に奥深いたくさんの色糸で織られたどっしりとしたものだった あの龍村の帯はこうして生まれたものだったのかと 胸が締め付けられるほどなつかしい  後には芸術の域にまで達した錦・綴れの帯やタペストリーを作り上げた吉蔵は 幼い頃に祖父から 大棚の主として恥ずかしくないだけの学問・たしなみを3歳の頃からしつけられたという お供を従えて漢籍や茶華道などのお稽古に通うかわいい姿は地元船場でも有名であったろうと思う  吉蔵4・5年生の頃 近くの大店の大きな蔵の虫干しがあり その日は東京から日本一という鑑定家の先生が来ておられた 仙台袴・腰にお扇子といういでたちで祖父のそばに控える吉蔵に好意をもたれたか やさしく茶陶器の説明をしてくださる その大家の言葉遣いの一つ一つは今の読者の心もひきつける いわく 「まあ、じっと見てごらん。 この土の青み、何ともいえないやね。 そこへもって瀬戸の釉薬がうまいぐあいにかかっている。 これはちょうど夏珪の墨絵ってとこだな。 夏珪、は判るね。南宋時代、杭州から出た宮廷画家だよ。 夏珪の画風は元、明と継承され、そうだな、日本の室町中期以降の水墨画に大きな影響を与えたもんだ。 よく見な、この垂れ薬。 まるで雨上がりの滝のようにたあーっと流れ落ちてたっと止まっている。この呼吸は誰にも真似は出来まいよ。 いい茶入れだねぇ。」と。 聞きなれない東京弁であったため 一層記憶に残っていたのだろうと思う。 この言葉は今の自分にもずいぶん勉強になるものでここに記録しておく。 物語の中心は ひと山越えて満足してもすぐまた次の目標を掲げて苦しみ登り続ける吉蔵の姿であるが 傍らで立場の全く違う3人の女性がツヤをそえており3人とも大変魅力的に描かれている 中で 妻でもなく妾でもなく非常に微妙な立場のままで細やかに吉蔵を支え続け 吉蔵の死とともにふっつりと消えてしまった仙のことが特に心に残る

Posted byブクログ

2014/05/11

明治、大正、昭和をただひたむきに錦の技術向上と格闘した男の波乱の生涯を描いた小説。 とても人間臭くて、生々しく、鬼のように錦織に没頭する姿は、華々しい。 後年、病や大切な人の死と戦いながら、献上品を作り上げる力強さに感動。

Posted byブクログ

2014/03/12

お茶を習っているということもあり手に取った『利休にたずねよ』が面白くて(内容以上に利休の手前とか席の誂えとかが素敵でした)じゃぁ着付けもしてるし、今度は着物とか帯ものでも…と思って見つけたのがこの『錦』。モデルは龍村美術織物の初代・平蔵氏。うちに龍村の帯があって母が大切にしていた...

お茶を習っているということもあり手に取った『利休にたずねよ』が面白くて(内容以上に利休の手前とか席の誂えとかが素敵でした)じゃぁ着付けもしてるし、今度は着物とか帯ものでも…と思って見つけたのがこの『錦』。モデルは龍村美術織物の初代・平蔵氏。うちに龍村の帯があって母が大切にしていたので名前は知っていたのだが、こんなにもすごいものだとは…こういう職人ものを読むとよく思うのだけれど美って狂気だよなぁ。吉蔵には惹かれないけどそれだけ錦にのめりこむ執念は才能だと思う。仕事に取り憑かれた様や織物の記述、人間模様はいいからもっと突っ込んでほしい!と思う点もありなん、楽しめました。そして今も人々を夢中にさせるって純粋に凄いなぁ。昨年なら横浜で展覧会をしていたようですが…残念。いつか初代の錦をこの目で拝みたいものだ。

Posted byブクログ

2017/11/09

着物好きなら「龍村平蔵の帯」はとても喜ばれるものだそうです。 この作品は、その龍村平蔵をモデルに、 華やかな京都・西陣の織物業界を描いたものでした。 若くして呉服の小売を始めた菱村吉蔵は、 やがて商売の品を美しい織りのはいる帯に移行していく。 斬新な織物を開発し、高い評価を得て...

着物好きなら「龍村平蔵の帯」はとても喜ばれるものだそうです。 この作品は、その龍村平蔵をモデルに、 華やかな京都・西陣の織物業界を描いたものでした。 若くして呉服の小売を始めた菱村吉蔵は、 やがて商売の品を美しい織りのはいる帯に移行していく。 斬新な織物を開発し、高い評価を得て、商売は繁盛していく。 まだ若いうちに「むら」と言う名の妻をめとり、 なお、なじみになった芸者「ふく」も愛人とし、 幼いころから自分を慕う女中の「仙」を影のように従えて 一代事業を成し遂げていった。 やがて模造品が出回って売上も下降気味になったころ、 元大名の茶道具の修復をてがけ、 ついに法隆寺の錦の復元にまで臨むようになる。 この男性の織物への執念はすさまじい。 「錦」とは聞くだけでも、華やかな気分になる雅な言葉だが、 後半、それにぞっこんほれ込んだ吉蔵が まるで人が変わったように仕事に打ち込む姿に 鬼気迫るものを感じた。 彼をとりまく3人の女性がいるが、 報われる想いとしりながらも、 一番最後まで彼に忠実だった「仙」を憐れに思う。 おそらく吉蔵にとって、 仙は女性でなく、友人や同期のような感じだったのだろう。 久しぶりの宮尾作品だった。 女性が主人公の作品が多い中、珍しく男性が主人公。 それでも、作品全体から高貴な和の格調高い文化を感じる。 着物を無性に着たくなるのは、宮尾マジックなのだろうか。。

Posted byブクログ

2013/03/06

あんまり読まないジャンルの小説だったが、ストーリーの面白さに引き込まれた。 主人公が商売へ情熱を傾ける姿勢が魅力的だった。負けず嫌いで、強い意志を持ってものごとに取り組む姿勢は素敵だなと感じた。 様々な逆境をものともせずに、この話のように駆け抜けて生きることができたら…どれほど良...

あんまり読まないジャンルの小説だったが、ストーリーの面白さに引き込まれた。 主人公が商売へ情熱を傾ける姿勢が魅力的だった。負けず嫌いで、強い意志を持ってものごとに取り組む姿勢は素敵だなと感じた。 様々な逆境をものともせずに、この話のように駆け抜けて生きることができたら…どれほど良いだろう。そう考えた。 ただ、難しい漢字が羅列された名前や、歴史小説っぽい雰囲気がやはり苦手。話や登場人物に魅力を感じなかったら、読みきれなかったと思う。

Posted byブクログ

2011/09/29

中学時代、有吉佐和子さんと宮尾登美子さんに ハマりにハマり、 若い身空で、女の一代記風大河ドラマが大好きに。 「錦」は実在の男性が主人公ですね。 筆力があるので読めますが、 やっぱり宮尾さんのお話は、 女性を主人公にしてた方が好き。 ちんたら読んでたら、図書館の返却期限が 来...

中学時代、有吉佐和子さんと宮尾登美子さんに ハマりにハマり、 若い身空で、女の一代記風大河ドラマが大好きに。 「錦」は実在の男性が主人公ですね。 筆力があるので読めますが、 やっぱり宮尾さんのお話は、 女性を主人公にしてた方が好き。 ちんたら読んでたら、図書館の返却期限が 来てしまって、読み途中で手放しました....。 最後まで、いずれ読みます。

Posted byブクログ

2011/07/28

織物の天才と呼ばれた瀧村平蔵の生涯を小説にした。新しい織物を生み出すかと思えば過去の織物を復元するなど、織物を芸術の域にまで高めた人物。その凄まじい情熱を描こうとしたのだろうが、30年かけた割には今一つ。天才にありがちな周りを振り回し、気遣いの無さが表に立ち、関わる3人の女性が哀...

織物の天才と呼ばれた瀧村平蔵の生涯を小説にした。新しい織物を生み出すかと思えば過去の織物を復元するなど、織物を芸術の域にまで高めた人物。その凄まじい情熱を描こうとしたのだろうが、30年かけた割には今一つ。天才にありがちな周りを振り回し、気遣いの無さが表に立ち、関わる3人の女性が哀れ。作り方の説明の描写は細々書かれているのに、せっかく出来上がった豪華で繊細な帯やタペストリーなどの描写がおざなりの感あり。もっと夢のある描き方をして欲しかった。

Posted byブクログ