イワーノフ の商品レビュー

アントン・チェーホフ(著者),米川正夫(著者)

2019/12/12

人物の個性、心理描写が巧み。登場は少ないものの、リヴォーフはイワーノフと対立する重要な役割を担う。テンポよく喜劇らしく、且つリアリズム演出を、とチェーホフは願ったのではないか。

2016/10/18

古本屋で見つけた。
解説が勉強になった。
リーマンショックのとき辺りに、チェーホフの文庫も捨てしまって、今は少し後悔している。

2011/03/26

農奴解放の進歩的な政治状況が後退し、反動と抑圧が支配するロシア社会の中で、理想への幻滅と実人生への無気力に陥ったインテリゲンチァの悲劇を描いた、チェーホフ最初の戯曲。理想に敗れ生の意味を喪失し、自らを冷笑して居直ることも潔しとせず、俗物にもなれず、止むことのない自己反省の意識・罪の意識の中で、無気力に陥ったまま、誰にもその苦しみが理解されること無く、遂には破滅してしまう無用者イワーノフ。"・・・僕はどんな事でも堪へ忍びます・・・、しかし自分で自分を冷笑する事だけは堪へきれません。"なかなかの傑作だと思う。