窓の魚 の商品レビュー
風変わりな(気が狂っている、問題を抱えていると言った方が正確かもしれない)二組のカップルの、温泉旅行の話なのだが、ある日旅館で死体が見つかる。 しかし、死体についてはあまり触れられず、四人の視点で話が語られる。 何も解決しないため後味はスッキリしないのだが、四人が互いに抱える感情...
風変わりな(気が狂っている、問題を抱えていると言った方が正確かもしれない)二組のカップルの、温泉旅行の話なのだが、ある日旅館で死体が見つかる。 しかし、死体についてはあまり触れられず、四人の視点で話が語られる。 何も解決しないため後味はスッキリしないのだが、四人が互いに抱える感情の語りに何故か引き込まれてしまう。
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誰だかが新聞でおすすめの本として紹介していて、わざわざ図書館で予約して読んだ。 タイトルも装丁も好み。文章も構成も嫌いじゃない。 でも、どうしてもこの不健全さが心地悪い。 不健全なの全般ダメかっていうと、そんなことないのに、これは嫌だ。 嫌だけど、全部読んじゃう文章の魅力はある。...
誰だかが新聞でおすすめの本として紹介していて、わざわざ図書館で予約して読んだ。 タイトルも装丁も好み。文章も構成も嫌いじゃない。 でも、どうしてもこの不健全さが心地悪い。 不健全なの全般ダメかっていうと、そんなことないのに、これは嫌だ。 嫌だけど、全部読んじゃう文章の魅力はある。 でも、細かな設定やなんかが好きにはどうしてもなれない。 フクザツだ…
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語り手が変わっていくんだけど、語り手ごとに登場人物の印象や捉え方が全く異なる。自分の見ているものは一面にしか過ぎない、本当の姿はどれだろうと思う本でした。 作者は女性や子供が主人公の長編の方が面白いイメージ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
“バスをおりた途端、細い絹糸のような風が、耳の付け根を怖がるように撫でていった。”、で始まる男女2組ダブルデートの1泊2日温泉旅行。1つのシーンを4人の視点で描く手法はありがちだけど、どんでん返しがすごかった。 一番屈託なさそうなアキオの闇が衝撃的に深くて、ナツの異常なクールさも、トウヤマの脱力感も、ハルナの腹黒さも、全部超えてくるっていう。他者から見た自分、自分から見える他者って何も信用ならない。 描かないことで想像させる。読後感に引っ張られる一冊だった。
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まるで絵画のように美しく儚い描写。魚と猫と、愛に飢え、生に飢えた人。西さんの他作品とは色の違う、切なさばかりが残る作品だった。
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西加奈子さんのテイストがアタシはあまり好きな感じではないなぁと思いつつ、人気だし 男女の話なら読めるかなと思って読んでみました。 読みすすめていくとハマっていくものの、自分の理解できるところではなくなっていって、、、笑 でも簡単にいえば、人が誰かのことを想像するとき 自分に都...
西加奈子さんのテイストがアタシはあまり好きな感じではないなぁと思いつつ、人気だし 男女の話なら読めるかなと思って読んでみました。 読みすすめていくとハマっていくものの、自分の理解できるところではなくなっていって、、、笑 でも簡単にいえば、人が誰かのことを想像するとき 自分に都合のいいように思うもんだなぁと。そんなふうに感じました。 たぶんもう西加奈子さんの本は読むことないかな?笑
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夜中に一気読み。 モヤリと残る違和感と、スッキリとしない読後感。結局のところ、あれは誰の死体だったの?と思うけれど、それが重要ではないということなんだろうなぁ。 ハルナ、ナツ、アキオ、トウヤマ 春夏秋冬を思わずにはいられない名前。 季節のようにつながってそうで、ぜんぜんつなが...
夜中に一気読み。 モヤリと残る違和感と、スッキリとしない読後感。結局のところ、あれは誰の死体だったの?と思うけれど、それが重要ではないということなんだろうなぁ。 ハルナ、ナツ、アキオ、トウヤマ 春夏秋冬を思わずにはいられない名前。 季節のようにつながってそうで、ぜんぜんつながっていない4人。ぐにゃりと歪んだ感情があちこちに描かれたものがたりでした。
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装丁が爽やかな水色で夏っぽいな、と思ったので読んでみた作品 全然夏っぽさは無い(苦) 読後すぐは「で?結局何が言いたいの?」とイライラしましたが 冷静に考えてみると同じ出来事でも人により見方も考え方も様々で “多分相手もこう思っているだろう”なんて驕りでしかないんだろうとハッと...
装丁が爽やかな水色で夏っぽいな、と思ったので読んでみた作品 全然夏っぽさは無い(苦) 読後すぐは「で?結局何が言いたいの?」とイライラしましたが 冷静に考えてみると同じ出来事でも人により見方も考え方も様々で “多分相手もこう思っているだろう”なんて驕りでしかないんだろうとハッとします 最初は意味が分からず挫折しかけたけど何とか頑張って読み終わり また最初に戻ると「なるほどね」と思える 性的描写要るのか?と思ったけどこの軸が抜けるとこの変わり者達が集まらないし(笑) むしろミステリーっぽいのが要らないと思いました
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読み終わってもすっきりはしない感じ。 湊かなえさんの『告白』のように4者が共有した時間をその人の視点で綴られているのですが、最初の3者はなんだかよくわからず、最後のアキラでふーん。そうだったのか。という感じ。 うーん、やっぱりもやもやしてる。
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初 西さん。 快活な物をお書きになる方なのだと、薄暗シュミの私は遠巻きだった方ですが、こんな感じにドロッとしてる作品があったんですね。 吉田修一さんのちょっと毒のある作品が好きな私にピッタリでした。
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