1,800円以上の注文で送料無料

死を背負って生きる の商品レビュー

4

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2013/02/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ケアの現場ではまず「そのまま受け入れる」。「患者にはその日その日の距離がある」。そして患者から逃げ出さずに、そのつらさ、悲しさ、やるせなさ、そして悔しさに寄り添うこと。それが具体的なスピリチュアルケアなのだ(p33)。 「人生の実力」の定義とは「自分にとって不都合なことが起こった時、その中に自分が人間として生きている証しを見ることができ、その中に感謝を見いだすことができる力」(p18)。 そして、人間は最後まで成長する存在。「成長の最後の段階(キュブラー・ロス)」とは「感謝と受容」であり、それを著者は「最後の跳躍」と呼ぶ。 ケアの目的は「病者が自分自身の人生を肯定できるように準備し、三つの言葉≪①感謝=ありがとうございました、②謝罪=ごめんなさい、③再会=また、会いましょう≫を残していただくことだ」(p52 高橋慶子:聖トマス大学) それが残された者にも生きる力を与える。 予期悲嘆のケアと、死別後の悲嘆のケア。 Stress Related Growth(SRG)「ストレスに関連した成長」。悲嘆反応によるうつ、成長。 「出たこと勝負」。つまり「委ねる」ということ。「委ねるということは、言い換えれば、決断を『よし』とすることです」(p93)。不安やうつは「こころの向き」が左右する。 そして終章は、「しあわせ感」。客観的なしあわせがあるのではなく、あるのは「しあわせ感」であり、その秘訣はほんの小さな出来事に感謝の気持ちが湧くということ。さらにもうひとつの「幸せをよぶ法則(セガストローム)」は楽観主義。「悲観主義は気分だが、楽観主義は意思である(アラン)」。

Posted byブクログ