情熱のシェフ の商品レビュー
神山典士『情熱のシェフ 南仏・松嶋啓介の挑戦』(講談社、2008年)は日本人シェフ松嶋啓介を描くノンフィクション。フランスのニースで自分の店を開き、料理が評判を呼び、ミシュラン星一つを獲得した。 フランス料理と言えばソース重視のイメージがあるが、日本料理も影響を与えたヌーベル・...
神山典士『情熱のシェフ 南仏・松嶋啓介の挑戦』(講談社、2008年)は日本人シェフ松嶋啓介を描くノンフィクション。フランスのニースで自分の店を開き、料理が評判を呼び、ミシュラン星一つを獲得した。 フランス料理と言えばソース重視のイメージがあるが、日本料理も影響を与えたヌーベル・キュイジーヌが登場している。素材を重視した料理である(100頁)。松嶋シェフの料理も素材重視である。 自分の店を開いて成功した背景にはサービスの仕事経験が役に立った。ホテルの料理長が自分で店を出しても失敗することが多い。美味しい料理を出せてもフロアのサービスができないためである(108頁)。日本の公務員にも接客経験をさせた方が良いだろう。 パティシェ出身の料理人が登場する。「料理人が若いうちは菓子から始めて材料を計ることを学んだほうがいい」と言う(130頁)。ドラマ『崖っぷちホテル』では浜辺美波演じるパティシェが料理人として活躍する。職種を越えた、あり得ない話と思いながら観ていたが、そうではなかった。 リッツ・カールトンの総料理長だった老紳士とたまたま出会い、彼の質問に答えたことで運命が開けた(183頁)。リッツ・カールトンと言えば顧客の期待を越えるサービスが有名である(林田正光『リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと』あさ出版、2004年)。そのサービスマインドは業務を越えたところでも発揮された。 本書は日本経済の負の影響を受けた就職氷河期世代(ロスト・ジェネレーション、ロスジェネ世代)の活躍と位置付ける(246頁)。ここでは同じように活躍するロスジェネ世代の人物も合わせて紹介している。共通項は個人主義的であることである。氷河期世代の苦しみは集団主義的な護送船団方式が機能しなくなったことにある。しかし、それを復活させよう、昭和の昔に戻そうというアプローチは当人達からも支持されないだろう。
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フランス料理に対する印象が大きく変わりました。 地元の食材やその土地の伝統的な調理法を大切にしているシェフたちの姿。そこに食材を供給する生産者の誇り。その価値を認めヨーロッパ中からレストランを目指して集まる人達。 日本料理ほど季節感や食材の持ち味を大切にしているものはないと勝手に...
フランス料理に対する印象が大きく変わりました。 地元の食材やその土地の伝統的な調理法を大切にしているシェフたちの姿。そこに食材を供給する生産者の誇り。その価値を認めヨーロッパ中からレストランを目指して集まる人達。 日本料理ほど季節感や食材の持ち味を大切にしているものはないと勝手に思っていましたが、フランスもすごいです。
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数年前に情熱大陸で放送されていたシェフの本。 フランスでの活躍振りなど収録されており、満足のいく内容~(^O^)
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●No.5 料理の本場・フランスで、わずか28歳でミシュランの星を獲得した若き天才シェフの物語―。
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