悪魔学入門 の商品レビュー
いろいろな悪魔の話を集めた本。日本の悪魔なんて記述もある。たとえば、「オー・ヤマ」「アンマ」。オー・ヤマはデーモンの王と書いてありアンマは地獄の神と書いてある。それぞれに訳注がついておりオー・ヤマの下には「閻魔大王のことか?」とアンマの下には「閻魔の従者の鬼か?」と書いてあり、少...
いろいろな悪魔の話を集めた本。日本の悪魔なんて記述もある。たとえば、「オー・ヤマ」「アンマ」。オー・ヤマはデーモンの王と書いてありアンマは地獄の神と書いてある。それぞれに訳注がついておりオー・ヤマの下には「閻魔大王のことか?」とアンマの下には「閻魔の従者の鬼か?」と書いてあり、少しお茶目だ。日本の悪魔に関しては挿絵までついていて何でも長崎近郊の寺で、坊さんから買い受けたものらしい。多分不動明王の絵だと思うけれど、その下に書いてある文字が笑いを誘う「温泉山」・・・。何のことだ? 坊さんではなく、おみやげ屋か茶屋のオヤジさんを坊さんと勘違いしたのではないだろうか・・・? この本はさらに妖しさに拍車をかけるところがある。本来、著者略歴や、訳者の略歴が書いてあるものだが、この本にはそのような情報は一個所もない。ただ最後の章の「悪魔祓い」のところで、この著者がイギリスの人だと推測できるのみだ。さらに情報の間違いや(いまだに魔女狩りの魔女たちを本物の魔女と信じている!)、東洋に対しての偏見、蔑視もこの本では見受けられる。著者はイギリスのガーター勲章を「キリスト教徒最高の勲章」と称し、それについて「しかし現代の民衆の目には悪魔は映らないのだろうか。・・・(ガーター勲章が)トルコ人や異教徒にまで授けられているのだ。・・・ガーター勲章参事会が昔のように開かれなくなったことは喜ぶべきであろう。というのも、この神聖な儀式が廃止されれば、まだしも冒涜が避けられると思うからだ。トルコ人や異教徒たちが、礼儀知らずにも式典に出席すると主張し出すかもしれないのだ。たしかに勲章の図柄は逆になり、竜は今やセント・ジョージを塵埃の中で踏みつけにしている。」と。 しかも、この本には図版目次と索引が完璧に載っている! ここまでやってくれれば何の文句もない!大好きだ!
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