日無坂 の商品レビュー
薬種問屋の婿養子だった父利兵衛に厳しい教育に嫌気が差して飛び出した息子利一郎とが歪みある時代小説で、親子の和解がテーマかと思っていたら利兵衛が川に落ちて死んでしまいサスペンス調になる。刺客に襲われつつも難なく事件は解決するが、家族の溝が氷解するというわけでもなく、利一郎はいろいろ...
薬種問屋の婿養子だった父利兵衛に厳しい教育に嫌気が差して飛び出した息子利一郎とが歪みある時代小説で、親子の和解がテーマかと思っていたら利兵衛が川に落ちて死んでしまいサスペンス調になる。刺客に襲われつつも難なく事件は解決するが、家族の溝が氷解するというわけでもなく、利一郎はいろいろ思い悩む割には淡々とした感じのお話。
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父親の生真面目さと、父親が入り婿故の遠慮からより厳しく自分にあたっていたことへの反発から素直になれなかった利一郎。ついに勘当されて十年の間に伊佐次と名を変え賭場を預かる身になってしまった…。 分かりあえぬまま父親は川で亡くなってしまう。 父の死の真相をつきとめていくうちに、弟との絆を取り戻していく。静かな情を感じられる話です。そして一種の無常感も漂っている気がします。 友五郎親分が登場するとやっぱり嬉しい^^
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市井のどこにでもある生きる人々の機微を捉えた、哀歓入り交じる長編。 静謐な筆致。この作品も心に残る一冊です。
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