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スコルタの太陽 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2023/08/22

 舞台は南イタリア。灼熱の太陽が容赦なく照りつける村。村から厄介者扱いされた荒くれ者の先祖を持つ一族が、村の者たちからの偏見や、辛い運命に抗いながら懸命に一族を守るため働き生きる。5世代にも及ぶスコルタ一族の話。ゴングール賞。 初めて読むフランスの作家さんでしたが、文章が印象...

 舞台は南イタリア。灼熱の太陽が容赦なく照りつける村。村から厄介者扱いされた荒くれ者の先祖を持つ一族が、村の者たちからの偏見や、辛い運命に抗いながら懸命に一族を守るため働き生きる。5世代にも及ぶスコルタ一族の話。ゴングール賞。 初めて読むフランスの作家さんでしたが、文章が印象的でした。太陽の容赦ない熱が文章にまで注がれているように乾いていて、長編映画を観たような充足感でした。 新島進さんの訳も、独特なお話の雰囲気を壊さず、とても工夫されたのではないかと頭が下がる思いでした。  自分達が生きてきた、やってきた事を子や孫に話し、受け継ぐことを大切にしているスコルタ一族。 例えば、甥のエリーアに話したこと… 「皆が自分のできるだけをやってみる。やってみるしかないんだ。けれどな、その行き着く先に何かを期待しちゃだめだ。行き着く先に何があるかわかるか?老いだよ。それだけなんだ。(中略)俺からの言葉は、汗を味わえってことなんだ。なぜならそれが人生でいちばん美しい瞬間だからだ。」  一族が集まった饗宴で食べきれないほどの美味しいものをたらふく食べ、笑い、話す。貧しさや労働で辛い時も、一人ずつ世を去って、残されて心に穴が空いた時も、一族にとって、その時間が後に何よりの幸せな思い出になる。このシーンは特に印象的でした。一人一人の上気した息づかいまで聞こえてきそうでした。  この作家さん、他にもたくさん書かれているのに、残念ながら日本語に訳されてないようです。自分が大学の仏文科の時にこの方のことを知っていたら、絶対に研究しただろうなと思うほど、魅力的な文章でした。面白かったです。

Posted byブクログ

2017/03/26

素晴らしい!の一言。色々本探してて良かったなぁ。途中までは描写がアレで、あらあらどうしましょと思ったけど、崇高で幻想的で本当に素晴らしかった。南の太陽を感じられる。惜しむらくはこの人フランス人で、複数書いてるらしいんだけど、この作品しか翻訳されてないんだよなぁ。

Posted byブクログ

2015/03/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

個人的に「一族n代の物語」みたいなルーツ(古い!)系が好きなんで、もう、ツボだったんですが、それ差し引いても、よい作品だと思います。 そーですねー、読んでいる間に自分の外で時間が何百年も流れていって読んで終わって、あれ?もう2xxx年なの??でもおかしくない感じ。伝わるかしら?? お、これってひょっとすると、アンチエイジング?! 違うなあ・・・・ ただ、邦訳がこれ一冊。英語なら頑張るけどなあ・・・

Posted byブクログ

2014/11/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] 老婆がその長い沈黙を破ったとき一族の知られざる秘密が明かされる―南イタリア、灼熱の太陽のもと、呪われた宿命に抗って果敢に生きるスコルタ家5世代にわたる波瀾の物語。 ゴンクール賞受賞。 ジャン・ジオノ賞審査員賞も同時受賞の話題作。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

Posted byブクログ