硫黄島 の商品レビュー
硫黄島で栄養失調とアメーバ赤痢で死ぬ寸前の所を捕虜となり、ハワイを経てアメリカ本土まで送られた、赤紙で徴兵された一般市民出身の元日本兵の回顧録。 茨城県水戸市出身で北海道帝国大学を出て土木エンジニアとなっただけあり、教育を受け英語を理解することから捕虜と米軍の通訳をしたり、現地...
硫黄島で栄養失調とアメーバ赤痢で死ぬ寸前の所を捕虜となり、ハワイを経てアメリカ本土まで送られた、赤紙で徴兵された一般市民出身の元日本兵の回顧録。 茨城県水戸市出身で北海道帝国大学を出て土木エンジニアとなっただけあり、教育を受け英語を理解することから捕虜と米軍の通訳をしたり、現地の新聞を読んで日本の敗戦を悟ったり、監視の米兵と親しくなるドラマがあったり、当時の稀有な体験談が散りばめられる。 世界恐慌で自国第一主義が極まった末に世界戦争に突入した当時と、コロナ禍で分断が進む現在は、やや乱暴ではあるが世界的な危機という意味で共通する部分がある。歴史に学ぶと言うが、大事な事は何なのかという本質を汲み取って人生に活かすために、歴史の本はとても良い。日本の組織としての問題点の議論としては「失敗の本質」( https://amzn.to/3e7svHX )に詳しい。
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評価が難しい。著者の体験ではなく、親から聞き取った内容、書簡等から構成しているからだ。しかしながら、日本人としてはもとより、日本人捕虜としても非常に特異な体験をされているのも確か。こういう書は、他には出てくることはあるまい。 もう少し早い時期に、つまり本人が書いたのであれば、戦場・戦争体験から見た日米の比較文化を著す書になったはずである。この点が、少々残念なところ。
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2011/5月 硫黄島→捕虜→戦争末期〜戦直後のアメリカ横断→帰国→10年後の再訪米という新たな戦争の側面を読ませていただいた。 何度聞いても硫黄島の惨状には日本人として、両国兵士に敬意を表したい。 すべての先輩方のあとに今の自分の命、国土、文化があることを思う。 この本で当時の...
2011/5月 硫黄島→捕虜→戦争末期〜戦直後のアメリカ横断→帰国→10年後の再訪米という新たな戦争の側面を読ませていただいた。 何度聞いても硫黄島の惨状には日本人として、両国兵士に敬意を表したい。 すべての先輩方のあとに今の自分の命、国土、文化があることを思う。 この本で当時の日本(軍部)の気風、硫黄島の壮絶な生存の中捕虜というのがどんな思いだったか。自分の身につまる思いだ。 最終章で再訪米を果たした際に記している 〜生きていたからできたことだし、自分の戦いに最善を尽くしたからだ。〜 の言葉にものすごい重みを感じた。 自分の人生を全うされたのであろう
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