1,800円以上の注文で送料無料

健康神話にだまされるな の商品レビュー

3.5

2件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2012/10/09

巷で言われている「健康神話」に対して、片っ端から切っている本。 世間では割と常識として流布しているようなことでも、実際には違うということがよくわかった。

Posted byブクログ

2009/10/04

著者は慶応義塾大学医学部卒業、同大学院修了。アメリカ・ロズエルパーク記念研究所研究員、ニューヨーク州立大学大学院助教授、浜松医科大学教授を経て同大学名誉教授。医学博士。専攻は生理学。日本生理学会、日本血液学会、日本臨床血液学会評議員。これだけの肩書きがあると、こうしたテーマの著者...

著者は慶応義塾大学医学部卒業、同大学院修了。アメリカ・ロズエルパーク記念研究所研究員、ニューヨーク州立大学大学院助教授、浜松医科大学教授を経て同大学名誉教授。医学博士。専攻は生理学。日本生理学会、日本血液学会、日本臨床血液学会評議員。これだけの肩書きがあると、こうしたテーマの著者としてふさわしいのではないだろうか。だが、テレビで「牛乳は体に悪くない」と発言したら、抗議の電話が殺到し、「田舎大学の名誉教授でなく、一流大学の先生に話させてください」と言われたそうだ。 その牛乳悪者説を唱えた新谷弘実氏と、ガンもどき説の近藤誠氏に反論している。名指しで批判するその潔さが気に入った。二人の著書を読んだことがあり、私はそうなのかと信じたが、著者は二人の唱える説を否定している。著者は、主にメタアナリシスという手法を使って、論拠を示している。 メタアナリシスとは、系統的に集めた複数の研究結果のデータを統合して分析する手法で、エビデンスに基づいた医療(EBM)の考え方においては、メタアナリシスの結果がもっとも強い証拠となる。だが、有意差のあるデータだけが発表される、研究の仮説がまったく同じではないなどの問題点もある。結局「医学は統計、確率の学問である」ということか。 一番気になったのは、目下の悩みの高血圧について。「食塩摂取を減らしても血圧はほとんど下がらない 食塩悪者説はなぜ生まれたか 食塩制限はむなしいだけ 食塩摂取量とガンの発症率 食塩の減らしすぎはガンにつながる」とある。読んで気が抜けた。気が楽にもなった。我慢していた梅干を早速食べた。その他にも、コレステロール、紫外線、砂糖など悪者扱いされているものを悪くないと言っている。また「病気を治す情報と健康を維持する情報は違う 病気が治れば寿命が劇的に延びるわけではない」というのはうなずける。 最後は人生観の問題になる。健康に生きるために大切にすべきことは「心を平静に保つ 何事にも中庸を守る 適度の運動を続ける 自分の心の声を聞く」ことだ。このような一見平凡な、でも実はなかなか行うのがむずかしいことが真実なのかも。センセーショナルな本が出れば、その説をまた信じてしまいそうだが、心にとめておきたい結論だと思う。

Posted byブクログ