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ライン河幻想紀行 の商品レビュー

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2024/03/06

ヴィクトール・ユーゴの書簡体紀行ですね。 ユーゴ(1802ー85)が1839年の八月から十二月にアルザス地方、スイスなどを旅行した際と、翌年四十年にライン地方を旅行した紀行文学です。 『ライン河』は、三十九編の書簡形式の文章と「むすび」とからなっています。 『原作は全集版で二段組...

ヴィクトール・ユーゴの書簡体紀行ですね。 ユーゴ(1802ー85)が1839年の八月から十二月にアルザス地方、スイスなどを旅行した際と、翌年四十年にライン地方を旅行した紀行文学です。 『ライン河』は、三十九編の書簡形式の文章と「むすび」とからなっています。 『原作は全集版で二段組、数百ページの大作ですので、〈ライン・伝説の河〉と〈美男ペコパンと美女ポールドゥールの物語〉の章は全訳、その他の章では、ラインの流れのもっとも美しく、もっとも伝説に富、もっともわが国でも親しまれている部分についてかか、文豪の珠玉の文章のエッセイを幾滴かすくい取ったつもりです。』と翻訳者の榊原晃三さんは綴られています。 ユーゴはドイツ系の血をひいていて、ドイツへの憧れから生まれた旅行だそうだです。ために詩人でもあるユーゴの自己発見の文章には、ユーゴのすべてが醸し出されています。 ユーゴは、歩いて旅をするのが好きだったようで、人々との出会いや民話の採集、遺跡の見学などがルポルタージュの形で語られています。 『ライン河』はフランスに戻ったユーゴが、もう一度再考して書に纏められたもので、読みやすく(榊原さんの力量もあり)、楽しく愉快に旅行記を味わえました。

Posted byブクログ