彼女が死んだ夜 の商品レビュー
おバカな大学生達が酒の勢い相まって犯罪に巻き込まれたり、 またその巻き込まれた犯罪について不謹慎な妄想を垂れ流したりする様は ブラックユーモア全開でなかなか面白く読めたものの、 肝心のミステリー部分は素人目に見ても粗が目立つように思えた クライマックスの急展開からの後味悪めなラス...
おバカな大学生達が酒の勢い相まって犯罪に巻き込まれたり、 またその巻き込まれた犯罪について不謹慎な妄想を垂れ流したりする様は ブラックユーモア全開でなかなか面白く読めたものの、 肝心のミステリー部分は素人目に見ても粗が目立つように思えた クライマックスの急展開からの後味悪めなラストも、 それまでのノリと違い過ぎて個人的には少し戸惑ってしまった
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女子大生のハコちゃんが飲み会から帰ってくると、家に見知らぬ女性の死体があるのを発見。異常なほど厳格な両親にバレたくないというその一心で、飲み友達を巻き込み、何とか隠蔽しようとするのだが…。 主に探偵役を務めるのは、巻き込まれた飲み友達の一人であるタックこと匠千暁で、所謂素人探偵もの。まさにこの「探偵が素人」という設定を活かしたトリックで、最後のどんでん返しには唸らされた。 推理に関して、こじつけ臭いだとか、妄想がたまたま当たっただけ感があるだとかいう感想を抱く方も居られるだろうし、確かにそれは否定できない。というか、まったくもってその通りだ。だが、僕としては、突拍子もないというのは悪いことではなく、寧ろ、パズラーの魅力はそこにあると思う。西澤保彦といえば、新本格をもじって「ヘン本格」と呼ばれるぐらい変わったミステリを書くことで知られているし、そもそも物語というものが日常の中の非日常を描くものだとするのなら、どうやっても互いに結びつきそうにないと思えるものを如何に軽やかに結びつけるかがその真骨頂だろう。つまり、確かに手持ちの材料から出発し推理=論理を辿って来たはずなのに、着いたのはとんでもない結論だった!という驚きである。強調しておくと、この驚きというのは、あくまでロジカルな推理があってこそのもので、特に、裏付け操作などできない素人探偵にとってみれば、如何にあり得そうにない結論であっても、反証もできず他の解決も提出できない以上、それが「真相」なのである。素人探偵ものは、身内の中で事件を完結させなければならない(犯人は探偵役の身近な人物)という点でもパズラーと相性が良いのかもしれない。 関連して言えば、西澤保彦のミステリは、登場人物同士の会話はとても軽妙で楽しいのだが、(解説で指摘されているように)作品を貫く世界観は「心が凍りつくほどペシミスティック」だ。身内で殺人が起こるということは、探偵側が知らないだけで、すぐ近くで愛憎渦巻いているということになる。また、この本にも、「友人相手によくそんな酷薄な仕打ちができるな」とか、「友人相手によくそんなに情け容赦無く推理できるな」とか、そんなのばっかりである。それこそ、「お酒でも飲んでないとやってられない」。解説から長く引いてしまうが、「作中の推理の殆どは、具体的な裏付けを欠き、時として妄想の域に踏み込んでいる(実際、作中でタックはしばしば、自分の推理を妄想と表現している)。にもかかわらず結局、それらの推理は真相にかなり近いのだ。羽化登仙状態でのディスカッションから生まれた、妄想としか形容しようのない非常識な仮説が、現実にそのままスライドして再現された時、この世界の実相とは何と滑稽で異常でグロテスクなものか—という感想が、読者の胸を領するに違いない。」
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複雑な人間関係の上に成り立ったミステリー 序盤の登場人物の?と無理があるだろと思うような行動も、終盤真相が明らかになるにつれて、納得がいきます 心理描写が巧みで、この人ならこうするんだろうなというのも上手く印象付けられました。それが悲しい結末を生んでしまいましたが どんでん返しに...
複雑な人間関係の上に成り立ったミステリー 序盤の登場人物の?と無理があるだろと思うような行動も、終盤真相が明らかになるにつれて、納得がいきます 心理描写が巧みで、この人ならこうするんだろうなというのも上手く印象付けられました。それが悲しい結末を生んでしまいましたが どんでん返しに継ぐどんでん返し 最後は驚きの連続でした ”彼女”がそうなるに至った最大の要因であるのが両親であるのはわかりますけどあの奇行に丸々一生分使うのはどうなのって感じでした 変装もさすがに無理があるかなぁ
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―― 一億総探偵社会とは誰が云ったものか。 誰も云ってないってそんなこと! さてさて、ビールが飲みたくなくミステリNO.1、酩酊探偵シリーズに入りますよ。 飲めば飲むほど冴え渡る、タックこと匠千暁の、最初の事件! と位置付けられた本書。このシリーズは何をおいても、主人公4人の軽快なやり取りと、匠くんと辺見先輩の酒量を楽しむのが正攻法。どんなだ。序盤にはっきりと、「僕と先輩の接点は“酒”のみだ」と断言されているけれど、その繋がり方と、そこから広がる4人の関係性が面白い。そういう4人の掛け合いと、グロテスクと表現されるミステリ部分とのギャップがまた、たまらん。 しっかりと完成されたパズラーなんだけれど、なんとなくそう見せないのは上手なのか、あるいは未完成だからなのか。なんとも云えないけれど、そのふんわりとした感じが個人的には好みでした。むちゃくちゃ、雑、ご都合主義、とか、そうやって批判されるものを好む傾向にあるようです。酔ってんのかな? まぁ一杯やろうや。☆3.7
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そんなに、うまく事件の真相を想像できるのか。 突拍子もない事を、思いつき、合っていた、そんなことが続いて話は進んでいく。 必要ないくだり、倫理の恋人(両親の性癖の話)、暴力のシーン、なくても最初と最後だけで成り立つような気がする。 あまり好みではない。 人に借りた本なので、なんとか読了。図書館で借りてたら、すぐに読むの止めてる。
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妄想がたまたま当たってただけのような… 財布が無くなるくだりは必要なのか? ※推理できるところを示しただけか? そんなタイミングで強盗がくるのか? 結婚式の前後から秘密の趣味を共有するとあるが、娘が亡くなった後に続けられるのか? 「論理の恋人」部分は、なんか要らない。
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タック&タカチシリーズの時系列一作目。 箱入り娘のハコちゃんが海外留学前夜に見つけた、自宅に転がる謎の女性! その処遇が誠に腹立たしく、なんだこの高慢で身勝手な女はと思ったけど、最後まで読めば溜飲が下がる。 被害者も、犯人も、これで決まり!…と思ったら変わる変わる。最後まで目が離せない。
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門限六時。家が厳しい女子大生ハコちゃんはやっとアメリカ行きの許しを得た。出発前日、親の外出をいいことに同級生が開いた壮行会から深夜帰ると部屋に女の死体が!夜遊びがバレこれで渡米もふいだと焦った彼女は自分に気があるガンタに遺棄を強要する。翌日発見された遺体は身元不明。別の同級生も失...
門限六時。家が厳しい女子大生ハコちゃんはやっとアメリカ行きの許しを得た。出発前日、親の外出をいいことに同級生が開いた壮行会から深夜帰ると部屋に女の死体が!夜遊びがバレこれで渡米もふいだと焦った彼女は自分に気があるガンタに遺棄を強要する。翌日発見された遺体は身元不明。別の同級生も失踪して大事件に。匠千暁、最初の事件。 家に見知らぬ死体。そこから発生する謎にまた謎。 繰り返される、机上の空論。論理の飛躍。それがまた当たっていたりするもんだから面白い。 徐々に事件の形が変わっていき、まさかの展開へと繋がっていく。中盤までの気楽さが、これほど重いものとなるとは… キャラクターの立ち位置も絶妙。シリーズということなので、次作が非常に楽しみである。 非常に肌に合う作家のようだ。 ご都合主義よ栄光あれ!!
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論理の飛躍やご都合主義が目立つなあ…という印象。主人公の突飛な妄想が何故か真実を突いているとか、ラスト付近のどんでん返しもちょっと納得感に欠ける。伏線がイマイチなのか、「ああ、あれはこういうことだったのか!なるほど。」みたいな感慨がわかない。 ではキャラクター小説なのか(どうやら...
論理の飛躍やご都合主義が目立つなあ…という印象。主人公の突飛な妄想が何故か真実を突いているとか、ラスト付近のどんでん返しもちょっと納得感に欠ける。伏線がイマイチなのか、「ああ、あれはこういうことだったのか!なるほど。」みたいな感慨がわかない。 ではキャラクター小説なのか(どうやらシリーズものらしい)という見方をしても、それほどキャラが立っているような気もしない。 淡々と読み、淡々と終わった。
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