ペットスナイパー二階堂達也 の商品レビュー
「テリー伊藤」の爆笑ハードボイルド小説『ペットスナイパー二階堂達也』を読みました。 ちょっと軽めの作品を読みたい気分だったんですよね… 「テリー伊藤」作品は、5年くらい前に読んだ『学校では教えてくれない不道徳講座』以来なので久しぶりですね。 -----story-------...
「テリー伊藤」の爆笑ハードボイルド小説『ペットスナイパー二階堂達也』を読みました。 ちょっと軽めの作品を読みたい気分だったんですよね… 「テリー伊藤」作品は、5年くらい前に読んだ『学校では教えてくれない不道徳講座』以来なので久しぶりですね。 -----story------------- 「ゴルゴ13」に憧れ、スナイパーの道を選んだ「二階堂達也」。 しかし、冷戦は終結し、暗殺依頼は激減。 競走馬の狙撃を引き受けて以来、ペット専門のスナイパーとなってしまった。 自身のバター犬殺しを頼む清純派女優に、選挙対策に白鳥を射抜けという落選代議士。 どんな依頼も一流の技でこなす「二階堂」の事件簿5編を収録した爆笑ハードボイルド小説。 ----------------------- 「ゴルゴ13」に憧れて一流スナイパーを志し、「ジェームズ・ボンド」に憧れてスパイになりたいと思い、高校を卒業後、ロンドンに留学し、スパイ養成機関で4年半の厳しい訓練に堪え抜いた「二階堂達也」… その先には、憧れの超A級スナイパーの華麗なる日々が待ち受けており、世界を股にかけ、国際社会の命運を左右するような依頼をことごとく成功させ、一仕事終わるたびにカリブ海や地中海のゴージャスなリゾートで、ブロンドのセクシーダイナマイト美女と情熱的な恋をするという生活が待っていると思われたが、、、 スナイパーとして颯爽と国際社会にデビューした矢先に東西冷戦が終結し、各国要人の暗殺依頼が激減… しかも、殺し屋稼業は年功序列の縦社会で、総仕事量が減っているにも関わらず引退者は出ず、冷戦終結に伴い旧ソ連の元KGBエージェントや旧東ドイツの特殊工作員、CIAの対ソ連要員、香港返還で仕事にあぶれた英国諜報部員たちが業界に流れ込んだことから需給バランスが大きく崩れ、殺し屋インフレ状態となったことから、「二階堂」は競走馬の狙撃を引き受けて以来、ペット専門のスナイパーとなってしまった。 という、背景からも想像できる通り、殺人は一切起きない、ソフトなハードボイルド小説に仕上がっています… 狙ったペットも、必ずしも殺すのではなく、様々な解決法を考えて、依頼者もペットもハッピーエンドにしちゃうことが志向されていて、好感のもてる作品でしたね。 ■女優・神宮寺さとみの依頼 ■前衆議院議員・舟山幸太郎の依頼 ■女優・足利麗花の依頼 ■社長・中川雅和の依頼 ■元校長・志村高雄の依頼 ■解説 乾貴美子 『女優・神宮寺さとみの依頼』は、結婚を目前に控えた女優の「神宮寺さとみ」から、独身時代に慰み用にバター犬として飼っていたブルドッグ「ロドリゲス」の殺害を依頼される物語。 『前衆議院議員・舟山幸太郎の依頼』は、不倫騒動等で落選した元衆議院議員の「舟山幸太郎」から、選挙対策のために、「舟山」か地元民等と餌付けをしている白鳥に矢を刺して欲しいと依頼される物語。 『女優・足利麗花の依頼』は、アシカの「アックン」に人気を奪われた元宝塚女優の「足利麗花」から、人気回復のために「アックン」が「麗花」に襲いかかるように仕向けて欲しいと依頼される物語。 『社長・中川雅和の依頼』は、30億円の遺産を猫に譲るという母親を持つ老舗の材木問屋の社長「中川雅和」から、自分たちが遺産を相続するために母親の愛猫の殺害を依頼される物語。 『元校長・志村高雄の依頼』は、地元を愛する元校長の「志村高雄」から、地元佐賀の温泉町でロケを行っている『おしん鴨物語』という映画の撮影で虐待されている鴨を助けて欲しいと依頼される物語。 それぞれ、ちょっと笑いもありつつ、依頼人というか、社会(読者?)にとって納得感のあるエンディングが用意されていて、気持ちよく読めました、、、 息抜きにぴったりでした… 続篇ないのかな。 ちなみに「二階堂達也」って名前は、「テリー伊藤」がキャバクラ等で使用する偽名なんだそうです… ちゃんちゃん。
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