反転 の商品レビュー
2008-06-17 よくこれだけ覚えていて,これだけの分量が書けるなあ・・. と,そんなところで感心した. 元々,大阪地検,東京の特捜にいながら,検察と行政の闇な関係に腹をたて,検察を飛び出す.つまり,検察が好きであった故に, 検察をやめたタイプ. 弁護士になってからは...
2008-06-17 よくこれだけ覚えていて,これだけの分量が書けるなあ・・. と,そんなところで感心した. 元々,大阪地検,東京の特捜にいながら,検察と行政の闇な関係に腹をたて,検察を飛び出す.つまり,検察が好きであった故に, 検察をやめたタイプ. 弁護士になってからはバブルという時代と,本人の非常に貧乏な少年時代に形成されたところの人格も手伝って, バブル紳士とのつきあいを深め.イトマン事件など許永中らに関わっていくことになる.さらに山口組組長との仲も深い. 刑事事件オンリーで民事はやらないが故に,弁護するのは犯罪を犯したものばかり. じょじょにそういう世界の人たちとの関係も深く. バブルという時代も手伝って本人もバブっていく. 本人は法は犯していないとずっとおもっていたが,最終的には検察(もと先輩)にねらわれ針の穴に糸を通すように立件され, 逮捕されてしまう. その係争のなかで執筆された本だ. 相当,ぶっちゃけて書いているので,かなりおもしろい. ほんと,「安倍晋太郎」だとか「福田パパ」だとかがどんどんでてくるので,やたらスゲー話です. バブルの時代の仕手の話にからんで,村上,堀江らへの言及もすこしあった. 法治国家のバランスというのは非常に微妙なラインで保たれているのだなあ.と,真に思う.
Posted by
とても読みごたえがありました。 田中氏は政財界やアウトロー社会のたくさんの人々に慕われた。 最終的には人間関係に恵まれたかどうかだが 器の大きいひとにはカネもヒトも群がるのだろう。 石橋産業事件で捕まってしまい地獄を味わうものの 人生はサクセスストーリーそのもの。 幼少時代...
とても読みごたえがありました。 田中氏は政財界やアウトロー社会のたくさんの人々に慕われた。 最終的には人間関係に恵まれたかどうかだが 器の大きいひとにはカネもヒトも群がるのだろう。 石橋産業事件で捕まってしまい地獄を味わうものの 人生はサクセスストーリーそのもの。 幼少時代は父親から勉学に勤しむのを反対されても どうしても自分の未来を築くための智恵には驚かされた。スゴイ! 最終ページにコラムニストの中森明夫氏が解説しているが 私も同感な部分が多かった。
Posted by
東京地検特捜部等に所属し、「特捜のエース」として数々の汚職事件を担当。バブル絶頂期の1987年に弁護士へ転身し、フィクサー、裏社会と深く関わり、7億円のヘリコプターを節税対策で所有するまで上り詰めたという。この本の一番すごいところは、著者の実体験として政財界の関係者のほぼ全てを実...
東京地検特捜部等に所属し、「特捜のエース」として数々の汚職事件を担当。バブル絶頂期の1987年に弁護士へ転身し、フィクサー、裏社会と深く関わり、7億円のヘリコプターを節税対策で所有するまで上り詰めたという。この本の一番すごいところは、著者の実体験として政財界の関係者のほぼ全てを実名入りで生々しく述べているところ。 許永中、安倍晋太郎、竹下登、山口敏夫、末野謙一、山口組五代目渡辺芳則、山口組若頭宅見勝、「光進」代表小谷光浩、「イトマン」常務伊藤寿永光、平和相互銀行、住友銀行、イトマン、三菱重工、文部省、法務省、検察庁などが実名で出てくる。
Posted by
面白い。 事件に関わった人がほぼ実名で書かれている点がリアル。 知らなかった、検事や弁護士の世界を垣間見る事ができる。
Posted by
これ、大傑作。ノンフィクションとしては最近読んだ中ではダントツ。著者は弁護士の先生、元検察官(所謂ヤメ検の方)なのだが、バブル時代に関わりのあった、ヤクザ、仕手筋、政治家等ありとあらゆるいかがわしい方々が総出演する。 検察の実態を知るのにもいい本。最近の安直な検察批判とはちとち...
これ、大傑作。ノンフィクションとしては最近読んだ中ではダントツ。著者は弁護士の先生、元検察官(所謂ヤメ検の方)なのだが、バブル時代に関わりのあった、ヤクザ、仕手筋、政治家等ありとあらゆるいかがわしい方々が総出演する。 検察の実態を知るのにもいい本。最近の安直な検察批判とはちとちがう。権力とはもっと重層的な構造から成り立っているのがよくわかる。
Posted by
バブル前に生まれ、バブルを生き、バブル後に消えたヤメ検弁護士。登場するアウトローの人物同様、成り上がりの人生を送り、時代の汚点として獄中に入った。暴露本でもあり、時代の証言でもある。面白かった。
Posted by
元特捜検事・田中森一氏の自伝。東京地検特捜部を最後に弁護士に転じ、特捜の捜査対象になり得るような人々の守り神になった。そして自身も特捜によって起訴されることに。 その心境に興味をそそられ読み始めたが、田中氏自身の半生がなにより面白かった。自身の貧しい生い立ちや、エリートに徹しきれ...
元特捜検事・田中森一氏の自伝。東京地検特捜部を最後に弁護士に転じ、特捜の捜査対象になり得るような人々の守り神になった。そして自身も特捜によって起訴されることに。 その心境に興味をそそられ読み始めたが、田中氏自身の半生がなにより面白かった。自身の貧しい生い立ちや、エリートに徹しきれない性格などから、罪を犯す人々に言いしれぬ〝共感〟を抱き、転身後、ヤクザやバブル紳士との親交はますます深まっていく。間近で見た彼らの姿は実に生き生きとして、しかも人間くさい。「しょせん司法は人間の活動のドブさらい」など印象に残るフレーズも多い。 田中氏が〝稀代の傑物〟であることには変わりないが、それゆえに検察にとって許し難い存在になったとしか思えない。この社会にとって、能力があり、やり過ぎた人間は検察にマークされ、葬られる。 ただ彼らは有能なため、必ず復活する。本書が世に出たのも、その有能さゆえだ。
Posted by
佐賀の田舎から叩きあがって東京地検特捜部まで登りあがる前半はとても面白いです。弁護士になってからの後半はあまり引き込まれるような内容ではなかったですが。
Posted by
エリート検事が闇の守護神=弁護士となって 最終的に懲役をくらうという 人生波乱万丈な一人の男の生きざまを描いています。 本人の書き下ろしだからリアる度が半端ない! ちょっと闇のかホリがする男の子に紹介したいほんです
Posted by
バブル時代の闇紳士を片端から担当していた守護神 田中弁護士の自叙伝。 検察官と弁護士って表裏一体。 なんともディープな世界なんだなー と改めて知りましたです。 犯罪なのか犯罪ではないのか? 法の解釈は? 国策捜査という言葉も一時期はやりましたけど、犯罪者ってのは作り上げることも...
バブル時代の闇紳士を片端から担当していた守護神 田中弁護士の自叙伝。 検察官と弁護士って表裏一体。 なんともディープな世界なんだなー と改めて知りましたです。 犯罪なのか犯罪ではないのか? 法の解釈は? 国策捜査という言葉も一時期はやりましたけど、犯罪者ってのは作り上げることもできるんだな。 と。 普通の一市民としてそこそこに 地味に 目立たず、、、 暮らしていきたいものです。 (2008年7月)
Posted by