ゲバルト時代 の商品レビュー

中野正夫【著】

2009/10/04

こちらは、赤軍派まで関わりつつ、「遁走」に成功した元活動家がその青春時代をつづったノンフィクション。副題が「あるヘタレ過激派活動家の青春」とあるが、まさにそんな感じ。デモや警察との衝突に素直に興奮し、素直に隣に寝る女性に手を出す。しかし、ほんのちょっとした差で連合赤軍に加わることはなく、（逮捕されたのち）一般の生活へと戻っていく。こうやってみると、山岳ベースで消えていった人と、作者のような人は紙一重だったのだろう。