中国が偉大になれない50の理由 の商品レビュー
「わたしたち著者によく指摘されることは、本書には平衡感覚がかけている、シンパシーと激励がない、まったく共感が欠如しているということである。しかし互いにほとんど関心を持たず、世界にほとんど関心を持たない人々にこれらの感情移入をすることは非常に難しいことである」。という立場から現代の...
「わたしたち著者によく指摘されることは、本書には平衡感覚がかけている、シンパシーと激励がない、まったく共感が欠如しているということである。しかし互いにほとんど関心を持たず、世界にほとんど関心を持たない人々にこれらの感情移入をすることは非常に難しいことである」。という立場から現代の中国が抱える問題、不快な事実の数々を並べている本。けっして悪くはないとは思うのだけれど、事例は違っても、だいたいが日本で報道されていること以上のものはなく、どうしてそうなったのかという分析的な本でもないため、中国には疎い自分にもあまりホぉーというところがなく、やや退屈だった。中国を批判するのに熱心なあまり、独断的な判断基準や相互に矛盾した解釈などもたまにあって、あれ? と思ったところも。たとえば「ユダヤ教とキリスト教に存在して仏教に欠けているのは、善行であり不幸せな者への支援の倫理である」とか、一人っ子は「心理的欠陥を持つ」という根拠を中国人の心理学者や、とある中国人労働者の感想に求めたり、中国人の若者にイギリスの印象を尋ねると「イギリス人はジェントルマンです」という答えが返ってくるという点などをあげ、中国人学生は外国文化に無知であるというが、イギリス人学生にも中国の印象を聞いてみてもらいたいもんだと私なら思うし、男女比が不均衡なため独身男性が増えているが、「多くの研究結果によると、女性には癒しの効果があり、このため結婚できない男性はしばしば落ち着きがなく暴力的で攻撃的になり、社会の不安定要素となる」と断言しているところなど、もうちょっと考えるか、説明を加えるかした方がいいのではないかと思われるところもあった。
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