茨の木 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
みんな、何もかもわかっているのだ。しかし、ぶつかるときには他人よりも遠慮のない分きついことになる。家族とはそういうものなのだ 常に仕事を優先させてきたのは事実だが、仕事一筋に生きて、人間の心を置き去りにしたなどと批判されると悲しくなる 人は生きて、いつかきっと死ぬ。人生とは、おびただしい死と向かいあうことが。そこにこそ、自分が今生きている事への答えがある
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父の形見のバイオリンがキッカケに始まった英国への旅。バイオリンの作者を探し求める。 何か特別な目的がある旅も魅力的。決して急いでいるわけでもなく、ガイドさんとのつながりやホテルでの人との出会いを楽しみ、人が人を呼んでるような旅。いいな、こんな旅。
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さだまさしさんらしい綺麗な文章で サラサラとあっという間に読めました。 喧嘩したまま、天国へ行ってしまった父親の形見であるヴァイオリンの製造者を求め 一人、イギリスへ旅立ち、沢山の人と優しさに出逢う… というお話。 悪くはないのですが… まず、舞台のほとんどがイギリスで、なん...
さだまさしさんらしい綺麗な文章で サラサラとあっという間に読めました。 喧嘩したまま、天国へ行ってしまった父親の形見であるヴァイオリンの製造者を求め 一人、イギリスへ旅立ち、沢山の人と優しさに出逢う… というお話。 悪くはないのですが… まず、舞台のほとんどがイギリスで、なんとなく分かりにくい。 現実的な共感が全く得られず 淡々と読んでしまった。 最後のお兄さんが入れたと思われる誓約書が出てくるシーンも この涙もろい私が、何一つ感動せず。 結局、響子さんの気持ちも明らかにならず 全てが中途半端な感じがしました。
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とても綺麗な作品。素直な気持ちで読めます。47才バツイチ子どもなしの主人公が父の形見のヴァイオリンの製作者を探しにスコットランドへ。手がかりの少ない、行き当たりばったりの旅の中で、素敵な人に出会ったり、びっくりな事件に巻き込まれたりしながら、忘れていた過去の思い出を手繰り寄せてい...
とても綺麗な作品。素直な気持ちで読めます。47才バツイチ子どもなしの主人公が父の形見のヴァイオリンの製作者を探しにスコットランドへ。手がかりの少ない、行き当たりばったりの旅の中で、素敵な人に出会ったり、びっくりな事件に巻き込まれたりしながら、忘れていた過去の思い出を手繰り寄せていきます。とてもドラマティックな展開で、ハラハラしながら、優しい涙を流しました。マリーさんと花子ちゃんはとてもいいキャラ。さださんの書く女性は、素敵な人が多いな。願望かな(笑)
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さだまさしが本当に好きだ。ご都合の良すぎる展開が続く気もするけれど(笑)、しかしさだまさしが本当に好きだ。もうこの一言に尽きる。ぬくもりました。
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さだまさしの小説、好き。 繊細な情景描写がとても優れていて、読みながら浮かんでくるよう。 心にすーっとしみ込んでくる言葉をたくさん紡ぎだす人。 -皮肉にも病気が家族の絆を深めることがあるのだ。 しかしこれを幸福と呼ぶべきなのだろうか。 いや、全く不安のない幸福、など存在しない。...
さだまさしの小説、好き。 繊細な情景描写がとても優れていて、読みながら浮かんでくるよう。 心にすーっとしみ込んでくる言葉をたくさん紡ぎだす人。 -皮肉にも病気が家族の絆を深めることがあるのだ。 しかしこれを幸福と呼ぶべきなのだろうか。 いや、全く不安のない幸福、など存在しない。 -明日何があるかなんて誰にもわかりはしないのよ。 素晴らしいことも、悲しいこともね。 人生なんて、そんなものなのよ。 軽く考えてはいけないけれど、決して重く考えすぎてもいけないものなのよ。 やさしくて最後の最後でほろりときた。 ただ、問題がひとつ解決せずに終わってしまったので そこだけ☆マイナスひとつ。
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さだまさしって、歌手だとしか知らなかったけど・・・、 なにこれスゴイ! 長編の小説ってどっちかというとあんまり好きじゃないけど、 これはおもしろかった。おすすめしたい 真二も、車を撒くとき「おぉ・・!」ってなったw マリー、愉快なおばあちゃんかと思ったら・・・カックイー!! あ...
さだまさしって、歌手だとしか知らなかったけど・・・、 なにこれスゴイ! 長編の小説ってどっちかというとあんまり好きじゃないけど、 これはおもしろかった。おすすめしたい 真二も、車を撒くとき「おぉ・・!」ってなったw マリー、愉快なおばあちゃんかと思ったら・・・カックイー!! あんなおばあちゃん欲しいわ(笑) でも、なんか、最後がもの足りないというか、 なんか物語が途切れたような感じがした。
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さだまさしの本を読むのは4冊めである。彼の作品は、ミュージシャンの副業の域を出て完成度が高いので、一応すべて読んでみようと思っている。 『眉山』『解夏』は、共に映画化されているし、評価も高いが私個人としてはこの『茨の木』のほうが好きだ。これも映像化されているのかは寡聞にしてしらな...
さだまさしの本を読むのは4冊めである。彼の作品は、ミュージシャンの副業の域を出て完成度が高いので、一応すべて読んでみようと思っている。 『眉山』『解夏』は、共に映画化されているし、評価も高いが私個人としてはこの『茨の木』のほうが好きだ。これも映像化されているのかは寡聞にしてしらないが。
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よかったデス。 よかったというか、好きな本に出会ったっていうカンジ。 とちゅうまではあまり入り込むこともなくフツーに読んでいたのですが、後半、ハナシのスピードがあがるあたりからが、なんといいますか、私には心地よかったのデス。 人生に音楽があるっていうのはすばらしい。とおもえる...
よかったデス。 よかったというか、好きな本に出会ったっていうカンジ。 とちゅうまではあまり入り込むこともなくフツーに読んでいたのですが、後半、ハナシのスピードがあがるあたりからが、なんといいますか、私には心地よかったのデス。 人生に音楽があるっていうのはすばらしい。とおもえる作品で、音楽を文章で表現できる著者に感服。 すげえぞ。さだ。 カタチばかりですが音楽をたしなんでいることが、ヨケーにうれしくなりました。 http://blueskyblog.blog3.fc2.com/blog-entry-1591.html
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<主な登場人物> 米倉真二…四十八歳。妻と離婚し、会社を退職した。 米倉健一郎…真二の兄。脳血管性認知症を患う。 浅野翠…真二が高校二年生のときにやってきた英語の教育実習生。二十四歳で亡くなる。 宗方響子…イギリスで真二の案内をすることになるガイド。 宗方花子…響子の一人娘。 <あらすじ> 真二は、妻と別れを告げ会社を依願退職した。 その折に険悪な仲になってしまっていた父の訃報を知る。 そして、父の形見のヴァイオリンを兄から渡され、ヴァイオリンのルーツを探す旅に出ることになり…。 さだまさしの長編小説。 相変わらず、精緻な描写力で読者を引き込んでいく作家の素質を兼ね備えている。 ただし、昨今の作家の特徴なのか文章が巧いだけで、そこに深みが感じられないような気もするのだが。 真二の初恋の相手が詩の朗読の時に「雑草という名前の草がないように、気づかれないかもしれないほど小さくとも必ず植物には花が咲くのよ、人にもきっとね」という場面と最後にその詩のタイトルにもなった茨の木を書くのはとても巧い。 (しかし、その描写を書かずにイメージさせておわるというのはいかにもという手法だが) ただ、響子の一人娘・花子があれほどまでに日本語が話せるという設定にはいささか疑問が残る。 響子を引き立たせるための役割も果たしているのだろうが、少し薄っぺらな設定だ。 やはり、日本の風景の美しさを余すことなく伝える「解夏」や「眉山」には到底叶わない。
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