27(上) の商品レビュー
上巻は、人物の掘り下げと長いプロローグみたい。 只、これからどうなるんだ?、と云う期待感で読ませる。
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まさに掘り出し物を発見! 読んで損のない傑作冒険スパイ小説! にもかかわらず、「東西ミステリーベスト100」にも入っていない!? こうなるとある意味、文壇のミステリーです。 この作品の優れているところは多々ありますが、構成力や創造性という小説に不可欠な要素のほかに、考え抜かれた...
まさに掘り出し物を発見! 読んで損のない傑作冒険スパイ小説! にもかかわらず、「東西ミステリーベスト100」にも入っていない!? こうなるとある意味、文壇のミステリーです。 この作品の優れているところは多々ありますが、構成力や創造性という小説に不可欠な要素のほかに、考え抜かれたセリフ回しや時代背景の描写という大人の教養&エンターテインメントとして楽しめる点にあります。 また、作家デビューが50歳を過ぎてからと言うことで、作者が書いた本はそれほど多くはありません。 以下、発表順に並べると、 シャーキーズ・マシーン(1978)映画化 カメレオン(1981) フーリガン(1984) タイ・ホース(1987) 27(1990) 真実の行方(1982)映画化 邪悪の貌(1985) Reign in hell(1997) Eureka(2002) 9冊のうち晩年の2作品は翻訳されていないし、作者は2006年に82歳で亡くなっています。 では改めて、この本の魅力の1つですが、いろいろな警句や気づきがこの本から得られる点にあります。 例えば、ウィルソン大統領が「戦争で一番危険なのは、一致というモノが唯一の美徳となり、一致団結することを拒むものは罰を受ける」とナチス国家の本質を言い当てていることや、ユダヤ人を狩るために、ユダヤ人の血が混ざった人間を「役に立つ間は迫害しない」という条件で採用し、この条件が執拗なユダヤ人によるユダヤ人狩りを助長したこと、さらにドイツの惨状を傍観しようとする米国民に「この惨劇をストップする努力をしなければ、真実から目をそらしているすべてのドイツ人と同じ罪を犯すことになる」などハッとさせられる描写があちこち出てきます。 そして、これほど面白い本が再版されていないので、中古本でしか読めなくなっている現状に驚きです。
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